方針
あふれる瞬間の水平な水面は、傾いた口の円の最下点を通る。
水の部分を高さ 1−sinθ の球冠と見て球冠公式を使い、注水量と等置する。
解答
球の中心を C とする。器を角 θ だけ傾けると、口の円の最下点は
C より sinθ だけ下にある。したがって、あふれる瞬間の水は球の下端からh=1−sinθの高さまでを占める球冠である。
s=sinθ とおくと 0<s<1 であり、半径1、高さ 1−s の球冠の体積はV=π(1−s)2(1−31−s)=3π(1−s)2(2+s).一方、あふれるまでに入った水量は18π(3+cos2θ)=18π(4−s2).両者を等置して整理すると6(1−s)2(2+s)=4−s2,(2s−1)(3s2+2s−8)=0.候補は s=1/2,4/3,−2 であるが、0<s<1 よりs=21.したがってθ=6π.傾いた器と水平な水面
別解
解法2
方針
球冠公式を使わず、球の水平断面積を積分して水量を求める。
器の傾きは水面の高さ −sinθ にだけ反映される。
解答
s=sinθ とおき、球の中心を原点、鉛直上向きを z 軸とする。
あふれる瞬間の水面は、傾いた口の最下点を通るので z=−s である。
高さ z における球の断面積はπ(1−z2)だから、水の体積はV=∫−1−sπ(1−z2)dz=π[z−3z3]−1−s=3π(2−3s+s3).注水量との等式は3π(2−3s+s3)=18π(4−s2).したがって6s3+s2−18s+8=0,(2s−1)(3s2+2s−8)=0.0<s<1 に入る解は s=1/2 だけである。ゆえにθ=6πである。
総評
難度は7、計算量は5。器の傾きそのものではなく、口の最下点の鉛直座標が −sinheta になることが核心である。球冠公式と断面積分で体積を照合し、範囲外の根を除外した。2解法の結論を照合し、条件の必要十分性、端点、符号、定義域、等号成立条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、図の縮尺に依存しない式による説明も併記している。
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出典: 東京大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。