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東京大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

すべての面が合同な四面体ABCDがある。
頂点ABCはそれぞれxyz軸上の正の部分にあり,
辺の長さはAB=2l1BC=2lCA=2l+1 (l>2)である。
四面体ABCDの体積をV(l)とするとき,次の極限値を求めよ。liml2V(l)l2

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

ベクトル図形と方程式 座標設定ベクトル成分計算体積計算極限計算

方針

4つの面がすべて合同な四面体では,向かい合う辺の長さがそれぞれ等しい。この型の四面体は,中心を原点に置いた対称な4点 (±x,±y,±z) で表すと辺の長さと体積が計算しやすい。3種類の辺の長さから x2,y2,z2 を求め,体積 V(l)=8xyz/3 を出す。最後は y2 だけが l2 を含むことに注目して,V(l)/l2 の極限を取る。

解答

すべての面が合同である四面体では,向かい合う辺の長さがそれぞれ等しい。そこで,合同な四面体として (x,y,z),(x,y,z),(x,y,z),(x,y,z) を頂点にもつものを考える。この四面体の各面は,3辺の長さが 2y2+z2,2x2+z2,2x2+y2 で同じになるので,問題の四面体と同じ型である。

3つの辺の長さを 2y2+z2=2l1, 2x2+y2=2l, 2x2+z2=2l+1 と対応させる。両辺を2乗して y2+z2=(2l1)24, x2+y2=l2, x2+z2=(2l+1)24 を得る。これらを足し引きすると x2=(x2+y2)+(x2+z2)(y2+z2)2=l(l+2)2, y2=(x2+y2)+(y2+z2)(x2+z2)2=l(l2)2, z2=(x2+z2)+(y2+z2)(x2+y2)2=2l2+14 である。l>2 なので x,y,z は正に取れる。

この対称配置の体積を求める。頂点 (x,y,z) から他の3頂点へ向かうベクトルを (0,2y,2z),(2x,0,2z),(2x,2y,0) とすると,これらで作る平行六面体の体積は 16xyz である。したがって四面体の体積は V(l)=16xyz6=83xyz である。

上で求めた値を代入するとV(l)=83l(l+2)2l(l2)22l2+14であるからV(l)l2=83l(l+2)2l22l2+14となる。よって l2 とすればliml2V(l)l2=832132=8である。

別解

解法2

方針

3種類の辺長を p,q,r とし、1頂点から出る3本の辺ベクトルの
内積を余弦定理で決める。四面体の体積公式を整理して得られる
等面四面体の対称な公式へ代入し、l2 の因子を直接抜く。

解答

すべての面が合同なら、向かい合う辺はそれぞれ等しい。3種類の
辺長をp=2l1,q=2l,r=2l+1とする。1頂点から出る3本の辺ベクトルを考え、余弦定理でその
内積を表して体積を計算すると、等面四面体について72V2=(p2+q2r2)(p2+r2q2)(q2+r2p2)を得る。この式は、3本の辺ベクトルが作る平行六面体の体積が
四面体の体積の6倍であることから、成分計算だけで導ける。

今回はp2+q2r2=4l(l2),p2+r2q2=2(2l2+1),q2+r2p2=4l(l+2).したがって V>0 に注意するとV=23l(l2)(l+2)(2l2+1).よってliml2V(l)l2=liml223l(l+2)(2l2+1)=4349=8.向かい合う辺が同じ記号になることが、公式の対称性に対応している。

総評

難度7、計算量6、目安20〜24分。等面四面体では向かい合う辺が等しいことを入口にする。解法1は対称座標、解法2は3辺長だけの体積公式を用い、いずれも V=(2/3)l(l2)(l+2)(2l2+1) を与える。退化因子 l2 を先に分離すれば極限は安定して8となる。

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出典: 東京大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。