Evolton

東京大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

自然数 k に対し、xy 平面上のベクトルvk=(coskπ4,sinkπ4)を考える。ab を正の数とし、平面上の点 P0,P1,,P8P0=(0,0),P2nP2n+1=av2n+1(n=0,1,2,3),P2n+1P2n+2=bv2n+2(n=0,1,2,3)により定める。このとき、以下の問いに答えよ。

(1) P8=P0 であることを示せ。

(2) P0,P1,,P8 を順に結んで得られる8角形の面積 Sab を用いて表せ。

(3) 面積 S7、線分 P0P4 の長さが 10 のとき、ab の値を求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

ベクトル三角関数図形と方程式 ベクトル成分計算面積計算、計算整理、式変形

方針

8本の辺を成分で加えて閉曲線であることを示し、頂点座標を表にして面積公式を適用する。
最後は面積と対角線長の2式から a2+b2ab を決める。

解答

(1)
vk+4=vk であるからv1+v3+v5+v7=0,v2+v4+v6+v8=0.よって P0P8=0 となり、P8=P0 である。

(2)
h=1/2 とおくと、各頂点はP0(0,0)P1(ah,ah)P2(ah,ah+b)P3(0,b+2ah)P4(b,b+2ah)P5(bah,b+ah)P6(bah,ah)P7(b,0)となる。多角形の面積公式2S=i=07(xiyi+1yixi+1)に代入して整理すると2S=2a2+2b2+42ab.したがってS=a2+b2+22abである。

(3)
S=7 よりa2+b2+22ab=7.また P4=(b,b+2a) なのでP0P42=b2+(b+2a)2=10,すなわちa2+b2+2ab=5.2式の差から 2ab=2、さらに a2+b2=3 を得る。
よって(a+b)2=3+22=(1+2)2,(ab)2=322=(21)2.a,b>0 より(a,b)=(1,2),(2,1)である。

辺の向きと8角形

別解

解法2

方針

頂点座標をすべて書かず、閉多角形の面積を辺ベクトル同士の行列式の和で計算する。
奇数方向同士、偶数方向同士、異なる種類の組に分けて係数を集計する。

解答

(1)
辺ベクトルを順に e1,,e8 とする。
奇数番目の4本の単位方向ベクトルの和と、偶数番目の4本の和はそれぞれ 0 なのでi=18ei=0.よって P8=P0 である。

(2)
原点から出発する閉多角形について2S=1i<j8det(ei,ej)が成り立つ。実際、Pj=e1++ej
面積公式へ代入すれば得られる。方向角の差を使って組を集計すると辺の組i<jdet(ei,ej)a の辺同士2a2b の辺同士2b2a の辺と b の辺42abとなる。したがってS=a2+b2+22ab.(3)
最初の4本の辺を加えるとP0P4=(b,b+2a).よって面積条件と長さの条件はa2+b2+22ab=7,2a2+2b2+22ab=10.ここから 2ab=2a2+b2=3 を得る。
a,b は正なので、和と差を復元して{a,b}={1,2}.したがって(a,b)=(1,2),(2,1)である。

総評

難度は6、計算量は6。閉曲線の確認、面積係数、対角線の座標を独立に再計算した。特に面積の交差項が 22ab であることを、座標法と辺ベクトル法で照合した。2解法の結論を照合し、条件の必要十分性、端点、符号、定義域、等号成立条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、図の縮尺に依存しない式による説明も併記している。

冊子PDFで見る東大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 東京大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。