方針
まず,球面上の点 から外部の点 が見える条件を,線分 が球の内側へ入らない条件として内積で表す。立方体の頂点を ,球面上の点を , とおくと,可視条件は符号和 の大小比較になる。(1)では最大の符号和 の最小値を調べる。(2)では対称性により として,2番目に大きい符号和 の最小値を調べる。
解答
(1)
球面 上の点 と,立方体の頂点の一つ を考える。線分 上の点は と表せる。 であるから,である。 に対してこの値が負にならなければ,線分 は球の内側に入らず,共有点は だけである。 を十分小さくしたときの符号も考えると,これは と同値である。
立方体の頂点は と書ける。球面上の点を とおくと,ある頂点が見える条件は すなわち である。
固定した に対して,八つの符号和の最大値は である。したがって,すべての から少なくとも1点が見えるための必要十分条件は がすべての で成り立つことである。
ここで であり,等号は などで成り立つ。よって左辺の最小値は である。したがって必要十分条件は すなわち である。この条件の下では頂点の距離 は より大きいので,頂点は球面の外側にある。
(2)
今度は,すべての から少なくとも2点が見える条件を考える。座標軸の入れ替えと符号の反転に関する対称性により, としてよい。このとき八つの符号和のうち最も大きいものは であり,2番目に大きいものは である。実際,ほかの候補 や は,, により 以下である。
したがって,少なくとも2点が見えるためには,すべての に対して が成り立つことが必要十分である。
この左辺の最小値を求める。 だから である。また より なので である。したがって である。等号は のとき成り立つから,最小値は である。
よって必要十分条件は すなわち である。この条件でも各頂点は球面の外側にある。
別解
解法2
方針
点における球の接平面を考える。頂点が見えることは,その頂点が接平面の外側の半空間にあることと同値である。立方体の8頂点を符号ベクトルで表し,接平面の外側にある頂点の個数を符号和の大きい順に調べる。
解答
球面上の点をとする。における球の接平面はであり,球はの側にある。したがって,外部の点がから見えるための必要十分条件はである。
立方体の頂点はと表せるので,可視条件は(1)
8個の符号和の最大値はである。この値はを満たし,などで1になる。よってすべてので(1)を満たす頂点が少なくとも1個あるための必要十分条件はすなわち(2)
立方体の対称性によりとしてよい。このとき最大の符号和は,2番目はである。さらにだから等号はのとき成り立つ。したがって,すべてのから少なくとも2頂点が見えるための必要十分条件はすなわち
総評
見える条件を内積の不等式に直し,その後は八つの符号和の順序を調べる問題である。難易度は8,計算量は6程度で,想定時間は25分前後。(1)は最大の符号和の最小値,(2)は2番目に大きい符号和の最小値を求める点が違う。(2)で最大値だけを見てしまうと「少なくとも2点」の条件にならない。対称性で にしてから,なぜ2番目が なのかを一言説明すると,答案の説得力が大きく上がる。 2解法の結論を相互照合し,定義域,端点,場合分け,図示範囲を確認した。