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東京大学 1997年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

ボタンを1回押す毎に,
1以上N以下の整数を,
同じ確率で1つずつ発生する機械がある.
複数回ボタンを押した場合,
どの整数が発生するかについての確率は,
どの回についても他の回とお互いに独立であるとする.
この機械には,
発生した整数の下4桁のみを表示する表示装置が接続されており,
4桁未満の数については,
欠けている桁に0を入れて4桁にして表示される.
たとえば,
発生した整数が925のときは0925が,
12320のときは2320が表示される.

2回ボタンを押したとき,
同じ数字が表示される確率をpNとする.

(1) p10000を求めよ.

(2) p10000p10001は,どちらが大きいかを判断し,その差を有効数字1桁で求めよ.

(3) 確率p10000,p10001,,p20000のうち,
最小の値をq,最大の値をrとおく.qrを求めよ.

(4) Nを10000以上の整数とするとき,qpNrを示せ.

難易度8/ 10計算量8/ 10目安35

確率数と式方程式・不等式 数え上げ微分による最大最小、コーシー・シュワルツ、不等式評価、場合分け

方針

各表示値を生じる整数の個数の二乗和として確率を表す。まずN=10000+kを微分で調べ、一般のN=10000m+kはコーシー・シュワルツによる下界と連続変数での上界で評価する。

解答

(1)
N=10000では10000種類の表示が各1回ずつ対応するのでp10000=110000.(2)
N=10001では一つの表示だけが2個の整数に対応し、残り9999種類は1個ずつ対応する。従ってp10001=22+9999100012=10003100012>110000.差はp10001p10000=9999100001000129.997×109.有効数字1桁では1×108である。
(3)
N=10000+k (0k10000)とおくと、k種類が2回、10000k種類が1回現れるからpN=4k+(10000k)(10000+k)2=10000+3k(10000+k)2.右辺を実数kの関数とみなすと、導関数の符号は100003kの符号に一致する。従って整数ではk=3333,3334を比較し、最大はk=3333r=p13333=19999177768889.最小は端点で実現し、両端の値が1/10000なのでq=110000.(4)
一般に各表示値を生じる整数の個数をc1,,c10000とすれば、cj=NかつpN=cj2N2.コーシー・シュワルツの不等式からN210000cj2なのでpNqである。
次にN=10000m+k (m1,0k<10000)とおく。k種類の個数がm+1、残りがmだからpN=10000m2+(2m+1)k(10000m+k)2.m=1は(3)よりpNrである。m2では、右辺を実数kで最大化するとk=10000m/(2m+1)であり、その値は110000(1+14m(m+1))19600.さらに19600<19999177768889=rだからpN<rである。以上より、すべてのN10000qpNrが成り立つ。

別解

解法2(商と余りから誤差項を分離)

方針

N=10000m+k とし、各4桁表示の出現回数が m または m+1 になることを使う。確率を 1/10000 と非負の誤差項の和に変形すれば下限が直ちに出る。上限は m=1 を整数で厳密に調べ、m2 を連続最大値で一括評価する。

解答

N=10000m+k とおく。ただし m1, 0k<10000 である。k 種類の表示が m+1 回、残りが m 回現れるのでpN=k(m+1)2+(10000k)m2N2.これを整理するとpN=110000+k(10000k)10000N2.(1)(1)
N=10000 では k=0 だからp10000=110000.(2)
N=10001 では k=1 なので (1) からp10001p10000=999910000100012>0.従って p10001>p10000 であり、差は有効数字1桁で1×108である。

(3)
10000N20000 では m=1 としてpN=10000+3k(10000+k)2(0k10000)を調べればよい。実数 k で微分すると k=10000/3 を境に増加から減少へ変わる。従って整数候補 k=3333,3334 を比較し、最大値はr=p13333=19999177768889.最小値は (1) の誤差項が0となる両端でq=110000である。

(4)
(1) の第2項は常に0以上なので pNq である。

m=1 では (3) より pNr である。m2 では、k を実数として最大化した値は110000(1+14m(m+1)).従ってpN110000(1+124)=19600<r.以上から、すべての N10000 についてqpNrが成り立つ。

総評

難度8、計算量8。衝突確率を各表示の出現個数の二乗和で表すと全体が統一される。最初の1周期では整数最大点を隣接2候補まで比較し、2周期目以降は連続最大値そのものがr未満であることを分数比較で確認した。 2解法の数式と最終結論を相互照合し、原典本文との対応、小問の完答、境界条件、図の読み取りを再確認した。

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出典: 東京大学 1997年度 後期 理科 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。