方針
となるには, 回目に が出て,それ以前のすべての目が 以下であればよい。この条件をそのまま確率に直すと が得られ,期待値 は有限和で表せる。(2)は「2に等しい個数」を各回の指示量の和と見て,期待値を の和に分解する。別の考え方として,2が数えられるのは初めて3以上が出る前に限られることから,停止までに出る2の個数の期待値としても求められる。
解答
(1) とする。 となるのは, であり,かつ がすべて 以下であるときである。したがって である。
よって期待値はである。この和のうち の項は常に であり, の項は で に近づく。したがってである。
(2) となるのは, であり,かつ がすべて 以下であるときである。したがってである。 のうち2に等しいものの個数は,各 についての事象 の指示量を足したものである。期待値は和に分けられるからである。よってである。
別解
解法2
方針
(1) は最初の回に6が出たかどうかで分ける。6が出ていればの条件付き期待値はちょうど1であり,まだ出ていない事象の確率は0へ収束する。(2)は「初めて3以上が出るまでに現れる2の個数」と見て,残り回数に関する漸化式を立てる。
解答
(1)
最初の回に少なくとも1回6が出る事象をとする。この事象の確率はが起きているとき,となるのはのときだけである。したがってのもとでのの期待値は一方,が起きていない場合でもである。よってのとき両端はともに1へ収束するから,(2)
となるのは,最初に3以上の目が出る前に2が出たときに限る。最初の回について,初めて3以上が出るまでに現れる2の個数の期待値をとする。これはに等しい。
第1投が2なら1個を数えて同じ問題が回残り,第1投が1なら個数を増やさず同じ問題が残る。第1投が3以上ならそこで終了する。したがってすなわちこの漸化式を解くとよって
総評
記録更新型の定義を確率に直す問題である。難易度は5,計算量は4程度で,想定時間は12分前後。 では過去の目が 以下でよく, 未満ではない点が最も間違えやすい。(2)は個数の期待値を各回の確率の和として処理すれば,事象同士が独立でなくても問題ない。別の考え方のように「初めて3以上が出るまで」と見れば, という値の意味も確認できる。 2解法の結論を相互照合し,定義域,端点,場合分け,図示範囲を確認した。