方針
各座標について最初の非零移動は、それ以後の全移動量より大きいことを使う。
座標が0となる事象を数え、包除原理と東西・南北対称性で第1象限の確率を得る。
解答
(1)
最初に北または南へ動いた回を と仮定する。その移動の 成分の絶対値は である。
一方、その後の 方向の移動量の絶対値の総和は高々したがって最初の移動を完全に打ち消せず、 の 座標は0にならない。
よって が 軸上なら北・南への移動は一度もなく、途中の点もすべて 軸上にある。
(2)
(1) と同じ議論から、 となるのは東西への移動が一度もない場合に限る。したがって両方が0なのは毎回5または6の場合だけなのでよって両座標が0でない確率は目1と3、目2と4を入れ替える対応により4象限は等確率である。したがって第1象限に入る確率は最初の移動が残り全体を支配する
別解
解法2
方針
座標を 倍して、符号付き2進整数として扱う。
最上位の非零桁は下位桁の総和では消えないため、座標が0となる条件を桁の一意性から判定する。
解答
(1)
の 座標を とする。各回の南北成分をと書けば最初に となったとすると、最上位項の絶対値は であり、
残りの絶対値の和は高々よって和は0にならない。したがって ならすべての であり、
全時刻で となる。
(2)
同じ整数表示を 座標にも使うと、 は東西移動が一度もないことと同値である。
したがって各出目列に対し、東西反転と南北反転を独立に施せるので、
両座標が非零の出目列は4象限へ同数ずつ対応する。ゆえに求める確率は
総評
難度は7、計算量は5。有限和であるため後続移動の総和は最初の非零移動より真に小さい。この厳密不等号を、等比級数法と符号付き2進整数法で確認し、軸上の確率には包除原理を用いた。2解法の結論を照合し、条件の必要十分性、端点、符号、定義域、等号成立条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、図の縮尺に依存しない式による説明も併記している。