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東京大学 1997年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

座標平面上の点A(x,y)が次の連立不等式の表す領域を動くとする.{xy<1y>0関数y=1xのグラフのうち,
x<0の部分をHx>0の部分をKとする.

Aに対し,x軸上の2点BC,曲線H上の点D,曲線K上の点Eを次の条件によって定める.

『直線ABは,2点ABの間の点Dで曲線Hに接し,
直線ACは,2点ACの間の点Eで曲線Kに接する』

(1) 三角形ABCの面積のとり得る範囲を求めよ.

(2) 三角形ADEの面積のとり得る範囲を求めよ.

難易度8/ 10計算量8/ 10目安35

図形と方程式微分方程式・不等式 座標設定接線・法線面積計算、面積比、範囲評価

方針

左右の双曲線上の接点を正の変数で置き、接線がAを通る条件を解く。面積をt=hkだけの式にし、1+t+1tの範囲へ帰着する。

解答

A=(h,k)t=hkとおくと、k>01<t<1である。D=(u,1/u) (u>0)におけるH:y=1/xの接線はy=xu2+2u.これがAを通る条件はku22uh=0である。DA,Bの間にある根を選ぶとu=1+1+tk,B=(2u,0).同様にE=(v,1/v)におけるK:y=1/xの接線からv=1+1tk,C=(2v,0).以下α=1+t,β=1t,s=α+βとおく。1<t<1よりα,β>0α2+β2=2である。従って0<αβ1から2<s2,ただしs=2t=0で実現する。
(1)
BC=2(u+v)、高さはkなので[ABC]=k(u+v)=2+α+β=2+s.よって2+2<[ABC]4.(2)
D,Eはそれぞれ辺AB,AC上にあり、y座標を比べるとADAB=k1/uk=α1+α,AEAC=β1+β.従って面積比より[ADE]=[ABC]αβ(1+α)(1+β).αβ=(s22)/2[ABC]=s+2を代入して整理すると[ADE]=s22s=s2s.これはs>0で狭義増加し、2<s2だから0<[ADE]1.

別解

解法2(x切片から接点を復元)

方針

左の接線の x 切片を L、右を R と置く。双曲線の接線では接点の x 座標が切片の半分になるため、接点と接線を L,R だけで表せる。接線が A を通る2次方程式を解き、2つの三角形の面積を t=hk の1変数へまとめる。

解答

B=(L,0),C=(R,0)(L>0, R>0)とおく。双曲線の接線の性質から接点はD=(L2,2L),E=(R2,2R)である。

左の接線が A=(h,k) を通る条件はkL24L4h=0,右の接線についてはkR24R+4h=0である。t=hk とおくと 1<t<1 であり、接点が線分 AB,AC 上にある方の正の解はL=2(1+1+t)k,R=2(1+1t)k.以下α=1+t,β=1t,s=α+βとおく。α2+β2=2 より2<s2.右端は t=0 で実現し、左端は t±1 の極限である。

(1)
底辺の長さは L+R、高さは k だから[ABC]=k(L+R)2=2+α+β=2+s.従って2+2<[ABC]4.(2)
座標を用いて三角形 ADE の行列式を計算し、上の L,R を代入すると[ADE]=s2sとなる。途中式は、αβ=(s22)/2ADAB=α1+α,AEAC=β1+βを使っても同じ形に整理できる。

s2/ss>0 で狭義増加するから0<[ADE]1.上端は t=0 で実現し、下端0は実現しない。

総評

難度8、計算量8。接線の二次方程式には二根が生じ得るため、接点がAx軸上の点の間にある条件で正しい根を選んだ。二つの面積を共通変数sに統一し、開端点・閉端点も確認した。 2解法の数式と最終結論を相互照合し、原典本文との対応、小問の完答、境界条件、図の読み取りを再確認した。

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出典: 東京大学 1997年度 後期 理科 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。