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東京大学 1995年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

1から13まで、それぞれ異なる整数が書かれたカードが1枚ずつ、全部で13枚ある。
このカードを使って、AB の2人が次のルールでゲームを行う。

AB は最初に2枚ずつカードを持つ。互いのカードの数字は見えない。

イ まず A が1枚のカードを数字が見えるようにして出し、B はそれを見て1枚のカードを出す。
数字の大きいカードを出した者が1点を得る。

ウ 次に残りのカードを出し合って、数字の大きいカードを出した者が1点を得る。

エ この際、AB はそれぞれ自分の得点が最大となるようにカードを出すものとする。

(1) カードが配られた後、A は手持ちのカードのうち、数字の大きいものを最初に出すのが有利か、不利か、あるいはどちらを出してもよいか。

(2) AB に無作為に2枚ずつカードを配った場合、A の得点の期待値を求めよ。

(3) A はカードの数字の合計が14となるような2枚を最初に選んで持っているものとする。
B は残りのカードから無作為に2枚を選んでゲームを行う。
この場合、A ははじめにどのようにカードを選べば得点の期待値が最大となるか、また最小となるか。
それぞれの場合の得点の期待値を求めよ。

難易度9/ 10計算量7/ 10目安40

確率場合の数 場合分け、数え上げ、期待値、対称性の利用

方針

2枚同士で起こり得る2通りの対応付けを比べる。BA の初手を見て、
A の総得点が小さい方の対応付けを選べるため、A の初手順序は影響しない。
期待値は4枚の順位型と、(3) の得点0・2となる組数を数える。

解答

(1)
A のカードを a1<a2B のカードを b1<b2 とする。
2回の対戦の対応付けは(a1,b1),(a2,b2)または(a1,b2),(a2,b1)の2通りである。A がどちらを先に出しても、B は返すカードを選ぶことでこの2通りのうち
A の総得点が小さい方を実現できる。したがって A はどちらを先に出してもよい。

(2)
配られた4枚を小さい順に c1<c2<c3<c4 とする。
A の持ち方6通りと最適な総得点はA の順位121314232434得点001112である。6通りは等確率なのでE[A の得点]=0+0+1+1+1+26=56.(3)
A のカードを (k,14k)1k6 とする。
B の選び方は11C2=55通りである。A が2点を確実に得るのは、B の2枚がともに k より小さいときなので、その組数はN2=k1C2.A が0点となる組を B の大きい方 d で数えるとN0=d=15k13(dk2)=(k1)(243k)2.残りは1点なのでEk=1N0N255=1(k1)(132k)55.値を並べるとk123456Ek14655415581143551011である。したがって最大は{1,13},期待値 1,最小は{4,10},期待値 811である。

2通りのカード対応

別解

解法2

方針

2回の対戦を2行2列の対応表として整理し、B が小さい総得点を選ぶゲームとみなす。
(2) は4枚内の順位だけで分類し、(3) は得点2と0の差だけを直接数えて期待値を出す。

解答

(1)
a1<a2b1<b2 とする。各対戦について勝てば1、負ければ0と数える。
Aa1 を先に出したとき、B の返し方により生じる2通りの組合せは{(a1,b1),(a2,b2)},{(a1,b2),(a2,b1)}である。a2 を先に出すと、この2通りの順序が入れ替わるだけである。
B は小さい方を選ぶので、A の初手はどちらでも同じである。

(2)
4枚の具体的な数字は大小関係にだけ影響する。小さい順の順位を1,2,3,4と書くと、
A の手札が 12,13 のとき0点、14,23,24 のとき1点、34 のとき2点である。
よってE[A の得点]=026+136+216=56.(3)
A={k,14k} とする。期待値は、基準の1点に対し「2点の組」を加え「0点の組」を引けばよい。
2点の組数はN2=k1C2.0点にできるのは、B の小さいカードが k より大きく、大きいカードが 14k より大きい場合である。
大きいカードを d=15k,,13 とすると、小さいカードの候補は dk2 枚なのでN0=d=15k13(dk2)=(k1)(243k)2.したがってEk=1+N2N055=1(k1)(132k)55.k=1,,6 を代入して比較すると、最大は {1,13} で期待値1、
最小は {4,10} で期待値811である。

総評

難度は9、計算量は7。原問題のゲーム規則を完全に復元した。初手順序が対応付けの順を入れ替えるだけであること、全配布での期待値 5/6、固定和14での6候補を全組合せ列挙でも独立検算した。2解法の結論を照合し、条件の必要十分性、端点、符号、定義域、等号成立条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、図の縮尺に依存しない式による説明も併記している。

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出典: 東京大学 1995年度 後期日程 第2次学力試験 理系(後期) 後期 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。