方針
はを回転したベクトルである。回転をで表し、をの和として表すと、固定中心の周りに長さ1とのベクトルを足す問題になる。(2) は半径の円が得られた環状領域にただ1点で接する条件を調べる。
解答
(1)
ベクトルを反時計回りに回転する写像をとする。直角二等辺条件から従って、とし、とする。なので、2つの向きに対しての中心はである。またであり、の長さは1である。2つの向きが独立に動くので、その和の長さはのすべての値をとる。従って軌跡は2つの環状領域の和集合である。
(2)
をとおく。直線と中心との距離はであり、半径の円が左側の環状領域にただ1点で接することはない。従って中心の環状領域だけを考えればよい。
三角形がただ1つ定まるためには、が外周に外接するか、内周に内接しなければならない。前者では左辺はだから後者では従ってよって求める点は、複号同順でおよび接点では長さ1とのベクトルが一直線に並ぶためも一意に定まり、各候補は実際に条件を満たす。
別解
解法2(複素数による回転表示)
方針
点を複素数で表し、 回転を 倍として直角二等辺条件を書く。2つの固定長ベクトルの和が作る環を得た後、中心 と環の中心との距離だけで唯一性を判定する。
解答
(1)
点と同じ文字で複素数を表す。、 とおけば直角二等辺条件から従って の長さは 、 の長さは1であり、偏角は独立に動く。その和の長さはのすべてを取る。よって軌跡はとの和集合である。
(2) とおく。中心 までの距離は一方、直線 と の距離は である。 の半径を加減しても左側の環へ届かないため、右側だけを考えればよい。
環の内半径と外半径をとする。円 と環の共通点がただ1つで、その点で2つの固定長ベクトルの向きも一意になるのは、 が外側から外周に接するか、穴の内側から内周に接するときである。従ってまたはよってまたは に戻せば、複号同順でおよびを得る。接点では長さ と1のベクトルが一直線上にあるため、対応する も一意である。
総評
難度8、計算量7。第3頂点の軌跡は円板ではなく、2つの固定長ベクトルの和が作る環状領域である。2つの回転方向を別々の中心として扱い、唯一性を外周への外接・内周への内接に翻訳して4候補を漏れなく得た。 2解法の数式と最終結論を相互照合し、原典本文との対応、小問の完答、境界条件、図の読み取りを再確認した。