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東京大学 1998年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

パラメタrθ (r>0,0θπ4)に対してxの関数f(x)=rsin(x+θ)を考える.

(1) rθが等式02π(sinxf(x))2dx=02πsin2xdx(E)を満たしているとき,rθの関数として表せ.

(2)(E)を満たしながらrθを動かしたとき,
0xπにおけるy=f(x)のグラフはxy平面上を動く.
これらのグラフが動く範囲Dを求め,図示せよ.

(3) 図形Dの面積を求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

三角関数積分図形と方程式 三角比の利用、範囲評価、面積計算、場合分け

方針

(1) 展開後、1周期の三角関数の積分を計算する。(2) f(x)=sinx+sin(x+2θ)と直し、固定したx2θ[0,π/2]を動かしたときの最大・最小を3区間に分ける。(3) 上下境界の差を積分する。

解答

(1)
与式を展開し、両辺に共通する項を消すとr202πsin2(x+θ)dx=2r02πsinxsin(x+θ)dx.1周期の積分より02πsin2(x+θ)dx=π,02πsinxsin(x+θ)dx=πcosθ.r>0だからr=2cosθ.(2)
加法定理からf(x)=2cosθsin(x+θ)=sinx+sin(x+2θ).ϕ=2θとおけば0ϕπ/2である。固定したxについてsin(x+ϕ)の範囲を調べると{2sinxy1+sinx(0xπ4),sinx+cosxy1+sinx(π4xπ2),sinx+cosxy2sinx(π2xπ).これらの不等式で表される領域がDである。境界はy=2sinx,y=1+sinx,y=sinx+cosxの該当部分からなる。

(3)
従って面積はD=0π/4(1sinx)dx+π/4π/2(1cosx)dx+π/2π(sinxcosx)dx=(π4+221)+(π41+22)+2=π2+2.

別解

解法2(4分の1円上の線形関数)

方針

(1) の条件から r=2cosθ を得る。(2) では (u,v)=(cos2θ,sin2θ) を4分の1円上の点と見て、y=sinx+sinxu+cosxv という線形関数の最大・最小を幾何的に求める。

解答

(1)
両辺を展開して共通項を消すとr202πsin2(x+θ)dx=2r02πsinxsin(x+θ)dx.左の積分は π、右の積分は πcosθ なので、r>0 よりr=2cosθ.(2)
ϕ=2θ とおくと 0ϕπ/2 であり、y=sinx+sin(x+ϕ).さらに u=cosϕ,v=sinϕ とおけば、(u,v) は第1象限の単位円弧上を動き、y=sinx+sinxu+cosxv.固定した x に対し、後半はベクトル (sinx,cosx)(u,v) の内積である。内積の最大値は向きが円弧内にあるとき1、そうでなければ端点で取る。最小値は円弧のどちらかの端点で取る。これを x の範囲ごとに整理すると{2sinxy1+sinx(0xπ/4),sinx+cosxy1+sinx(π/4xπ/2),sinx+cosxy2sinx(π/2xπ).これが領域 D である。

(3)
上下の境界の差を積分してD=0π/4(1sinx)dx+π/4π/2(1cosx)dx+π/2π(sinxcosx)dx=π2+2.

総評

難度7、計算量7。横座標を固定して位相だけを動かすと、最大値と最小値を与える端が4分の1円周と2分の1円周の位置で切り替わる。3区間の境界が接続することを確認し、上側と下側の差を正の向きで積分した。 2解法の数式と最終結論を相互照合し、原典本文との対応、小問の完答、境界条件、図の読み取りを再確認した。

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出典: 東京大学 1998年度 後期 理科 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。