方針
(1) (2) は小数部分の固定点問題として処理する。(1) では が写像 の固定点であることを確認する。(2) では から を得て、 を が整数である条件に直す。(3) は有理数の分母が減ることを示す。 のとき既約分数 と表し、 と割り算すると、次項は0または の小数部分になり、0でない限り既約分母は より小さくなる。初項の分母は高々 なので、 番目以降は0になる。
解答
(1) であるから である。また であり、 なのでである。よって であり、同じことが繰り返される。したがって である。
(2)
任意の自然数 について であるとする。特に だから、 は小数部分として現れる値であり である。問題の条件 と合わせて を得る。したがって である。
さらに であるから である。小数部分の定義より、ある整数 が存在して と表せる。つまり である。 より なので、整数 は のいずれかである。 のとき より、正の解として を得る。 のとき より、正の解として を得る。どちらも を満たし、 も満たす。
したがって求める値は である。
(3) と表されているとする。 は有理数であり、 のとき既約分数で表した分母は高々 である。もし なら、定義より以後もすべて0なので結論は明らかである。
以下、 とし、 を既約分数で と表す。ただし、 と は互いに素とする。小数部分なので であり、したがって である。 を で割って とおく。すると である。したがって は、 のとき0であり、 のときは を約分した分数である。 の場合、 の既約分母は 以下である。ところが なので、 なら既約分母は前の分母 より真に小さい。
よって、項が0でない間、既約分数で表した分母は正の整数として真に減少し続ける。初項 の既約分母は高々 であるから、 がすべて0でないことはありえない。したがって である。いったん0になれば、定義により次項以降も0である。ゆえに 以上のすべての自然数 に対して である。
総評
(1) (2) は文系第2問と同じ固定点処理で、(3) の分母減少が理系版の要点である。目安時間は22分。有理数を既約分数 で表したとき、 の小数部分が、ユークリッドの割り算の余り によって になることを明示できれば自然に証明できる。大学的な連分数の言葉は不要である。注意点は、最初に与えられた が既約とは限らないため、 の既約分母は「高々 」と書くこと、0になった後は定義により0が続くことを最後に確認することである。