Evolton

東京大学 2011年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

座標平面において,点P(0,1)を中心とする半径1の円をCとする。
a0<a<1を満たす実数とし,直線y=a(x+1)Cとの交点をQRとする。

(1) PQRの面積S(a)を求めよ。

(2) a0<a<1の範囲を動くとき,S(a)が最大となるaを求めよ。

難易度4/ 10計算量4/ 10目安16

図形と方程式関数微分 円の性質座標設定微分による最大最小、範囲評価

方針

直線と円の交点を直接求めるより、円の中心 P から直線 QR までの距離を使う。QR は半径1の円の弦であり、中心から弦までの距離を d とすると、弦長は 21d2、三角形の高さは d である。これで S(a) を出す。最大化では S(a)>0 なので S(a)2 を最大化してよく、根号を消した有理式を微分する。臨界点のうち 0<a<1 に入るものを選び、増減または端での極限から最大点を確認する。

解答

(1)
直線 y=a(x+1)axy+a=0 と書ける。円 C の中心は P(0,1) で半径は1である。点 P からこの直線までの距離を d とすると d=a01+aa2+1=1a1+a2 である。ここで 0<a<1 より 1a>0 を用いた。

直線と円の交点 Q,R を結ぶ線分は円の弦である。半径1の円で、中心から弦までの距離が d であるから、弦の半分の長さは 1d2 である。したがって QR=21d2 である。ここで1d2=1(1a)21+a2=1+a2(12a+a2)1+a2=2a1+a2であるから QR=22a1+a2 となる。 PQR の底辺を QR とみると、高さは中心 P から直線 QR までの距離 d である。よってS(a)=12QRd=1222a1+a21a1+a2である。したがって S(a)=(1a)2a1+a2 である。

(2) 0<a<1 では S(a)>0 なので、S(a) を最大にする aS(a)2 を最大にする a と同じである。 S(a)2=2a(1a)2(1+a2)2 とおく。これを微分すると ddaS(a)2=2(a1)(a+1)(a24a+1)(1+a2)3 である。0<a<1 では分母は正、また a+1>0a1<0 である。したがって符号は a24a+1 の符号で決まる。

方程式 a24a+1=0 の解は a=2±3 である。このうち 0<a<1 に入るのは a=23 だけである。また a24a+10<a<23 で正、23<a<1 で負であるから、S(a)2 は前半で増加し後半で減少する。

したがって S(a) が最大となるのは a=23 である。

円の中心 P から弦 QR へ下ろした垂線の長さが高さ d であり、弦の半分と半径で直角三角形ができる。

別解

解法2(交点の2次方程式から弦長を出す)

方針

直線を円の式へ代入し、交点 Q,Rx 座標を2次方程式の2解として扱う。解の差から弦長を求め、中心から直線までの距離を高さとして面積を出す。最大化では logS(a) を微分し、積の形の微分を短く処理する。

解答

(1)
C の方程式はx2+(y1)2=1である。直線 y=a(x+1) を代入すると、交点の x 座標は(1+a2)x2+2a(a1)x+a22a=0の2解となる。この2解を q<r とする。判別式を整理するとD=8aだからrq=D1+a2=22a1+a2.直線の方向ベクトルは (1,a) なのでQR=1+a2(rq)=22a1+a2.また、中心 P(0,1) から直線 axy+a=0 までの距離はd=1a1+a2である。したがってS(a)=12QRd=(1a)2a1+a2.(2)
0<a<1 では S(a)>0 なので、logS(a) を微分してよい。logS(a)=log(1a)+12log(2a)log(1+a2)よりS(a)S(a)=11a+12a2a1+a2=a24a+12a(1a)(1+a2).分母は正であり、分子の零点は 2±3 である。このうち区間 0<a<1 に入るのはa=23だけである。分子はその前で正、その後で負なので、S(a) はそこで最大となる。

総評

円の弦の長さを中心から直線までの距離で処理する標準問題である。目安時間は16分。交点座標を求めても解けるが、弦長 21d2 を使う方が計算が短い。0<a<1 なので距離の絶対値が 1a になること、面積の高さが中心から弦への距離になることを明記したい。最大化では S(a)2 を微分して根号を避けるのが実戦的で、候補 2±3 のうち範囲に入るものだけを残す必要がある。

冊子PDFで見る東大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 東京大学 2011年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。