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東京大学 2011年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

Lを正定数とする。
座標平面のx軸上の正の部分にある点P(t,0)に対し,
原点Oを中心とし点Pを通る円周上を,
Pから出発して反時計回りに道のりLだけ進んだ点をQ(u(t),v(t))と表す。

(1) u(t)v(t)を求めよ。

(2) 0<a<1の範囲の実数aに対し,積分f(a)=a1{u(t)}2+{v(t)}2dtを求めよ。

(3) 極限lima+0f(a)logaを求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安24

三角関数微分積分 座標設定、計算整理、極限計算定積分評価

方針

半径 t の円で弧の長さ L だけ進むので、中心角は L/t である。これにより Q の座標は (tcos(L/t),tsin(L/t)) と表せる。次に u(t),v(t) を積の微分と合成関数の微分で求めると、平方和の交差項が消えて 1+L2/t2 に簡約される。積分はt2+L2tdtであり、原始関数を置いて微分確認する。極限では a+0 のとき発散するのは Lloga の部分だけであることを取り出す。

解答

(1)
P(t,0) は、原点中心で半径 t の円周上にある。半径 t の円で弧の長さ L だけ進むとき、対応する中心角は Lt である。P は正の x 軸上の点なので、そこから反時計回りに角 L/t だけ進んだ点 Q の座標は u(t)=tcosLt,v(t)=tsinLt である。

(2)
まず微分する。d(L/t)/dt=L/t2 であるからu(t)=cosLt+t(sinLt)(Lt2)=cosLt+LtsinLt,またv(t)=sinLt+tcosLt(Lt2)=sinLtLtcosLtである。したがって{u(t)}2+{v(t)}2=(cosLt+LtsinLt)2+(sinLtLtcosLt)2=cos2Lt+sin2Lt+L2t2(sin2Lt+cos2Lt)=1+L2t2である。t>0 なので{u(t)}2+{v(t)}2=1+L2t2=t2+L2tとなる。

ここで F(t)=t2+L2+Llogtt2+L2+L とおく。微分すると ddtt2+L2=tt2+L2 であり、またddtlogtt2+L2+L=1ttt2+L2(t2+L2+L)である。よって整理すると F(t)=t2+L2t である。したがってf(a)=a1t2+L2tdt=F(1)F(a)である。すなわちf(a)=1+L2a2+L2+Llog11+L2+LLlogaa2+L2+Lである。

(3) a+0 のとき a2+L2L であり、log(a2+L2+L)log(2L) である。一方、logaa2+L2+L=logalog(a2+L2+L) である。したがって f(a) のうち a+0 で発散する部分は Lloga だけであり、残りは有限な値に近づく。

よって f(a)logaL である。したがって lima+0f(a)loga=L である。

t を小さくすると、点 Q(t) は原点へ近づきながら回転する。図は L=1 の例である。

別解

解法2(平方根を新変数にして積分する)

方針

(1) から速さを求めるところまでは同じである。原始関数を予想する代わりに、s=t2+L2 と置いて有理関数の積分へ変換する。部分分数分解すれば対数項が自然に現れ、極限の発散項も読み取れる。

解答

(1)
半径 t の円周を長さ L だけ進むと中心角は L/t だからu(t)=tcosLt,v(t)=tsinLtである。

(2)
微分して平方和を取ると{u(t)}2+{v(t)}2=1+L2t2.t>0 よりf(a)=a1t2+L2tdt.ここでs=t2+L2とおく。sds=tdtt2=s2L2 だからt2+L2tdt=s2s2L2ds=(1+L2s2L2)ds.さらにL2s2L2=L2(1sL1s+L)である。したがって原始関数はs+L2logsLs+L.s2L2=t2 を使うとsLs+L=t2(s+L)2なので、これはt2+L2+Llogtt2+L2+Lに等しい。よってf(a)=1+L2a2+L2+Llog11+L2+LLlogaa2+L2+L.(3)
a+0 のとき、上式で有界でない項は Lloga だけである。したがってlima+0f(a)loga=Lである。

総評

円運動の座標表示から曲線の長さの積分へ進む問題である。目安時間は24分。最初の中心角 L/t を正しく置ければ、(1) はすぐに出る。(2) は u,v の交差項が打ち消し合うため、平方和を省略せずに書くと計算の見通しがよい。原始関数は形がやや重いので、答案では微分確認を一行入れると説得力が増す。(3) では loga であるため、符号を逆にしやすい。発散項が Lloga であることを明示してから比を取ると安全である。

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出典: 東京大学 2011年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。