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東京大学 2012年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

座標平面上の放物線Cy=x2+1で定める。
stは実数としt<0を満たすとする。
(s,t)から放物線Cへ引いた接線をl1l2とする。

(1) l1l2の方程式を求めよ。

(2) aを正の実数とする。
放物線Cと直線l1l2で囲まれる領域の面積がaとなる(s,t)を全て求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安18

図形と方程式微分積分 接線・法線文字消去面積計算、場合分け

方針

放物線 y=x2+1x=u における接線を媒介変数で表し、それが点 (s,t) を通る条件を u の2次方程式にする。t<0 なので2本の接線があり、接点の x 座標は sα,s+α と対称に書ける。面積は、放物線と接線の差が (xu)2 になること、および2本の接線の交点の x 座標が s であることを使い、左右に分けて積分する。最後に S=2α3/3=a から α を決め、t=s2+1α2<0s の開区間条件に戻す。

解答

(1)
放物線 C:y=x2+1x=u における接線を求める。接点は (u,u2+1)、接線の傾きは 2u であるから、接線の方程式は y(u2+1)=2u(xu) すなわち y=2uxu2+1 である。

この接線が点 (s,t) を通る条件は t=2usu2+1 であり、これを u について整理すると u22su+t1=0 である。判別式は 4s24(t1)=4(s2t+1) である。ここで α=s2t+1 とおく。t<0 より s2t+1>0 なので α>0 であり、2つの接点の x 座標は u=sα,v=s+α である。

したがって2本の接線は、順序を除いて y=2(sα)x(sα)2+1y=2(s+α)x(s+α)2+1 である。ただし α=s2t+1 である。

(2)
(1)の2つの接点の x 座標を u=sα,v=s+α とする。放物線と x=u における接線との差は x2+1(2uxu2+1)=(xu)2 である。同様に、x=v における接線との差は (xv)2 である。

接点が sα,s+α にあり、2接線が x=s で交わる配置を図示すると次のようになる。

また2本の接線の交点を求めると、2uxu2+1=2vxv2+1 より 2(uv)x=(uv)(u+v) である。uv だから x=u+v2=s である。

区間 [u,s] では x=u の接線が上側の接線であり、区間 [s,v] では x=v の接線が上側の接線である。よって囲まれる領域の面積 SS=us(xu)2dx+sv(xv)2dxである。ここで u=sαv=s+α だからS=sαs(xs+α)2dx+ss+α(xsα)2dxであり、どちらの積分も α3/3 に等しい。したがって S=23α3 である。

この面積が a に等しいので 23α3=a であり、α>0 より α=(3a2)1/3 である。一方、α2=s2t+1 だから t=s2+1α2 である。条件 t<0s2<α21 と同値である。

したがって、解が存在するには α21>0 すなわち α>1 が必要十分である。これは (3a2)1/3>1 つまり a>23 と同値である。

よって 0<a2/3 のとき、条件を満たす (s,t) は存在しない。a>2/3 のとき、すべての解は(3a2)2/31<s<(3a2)2/31,t=s2+1(3a2)2/3である。

別解

解法2(接点間隔による面積公式)

方針

(1) は接点の x 座標を2次方程式の根として求める。(2)では接点をp<q と一般に置き、放物線と2接線で囲まれる面積が接点間隔だけで(qp)3/12 と表せることを先に証明する。

解答

(1)
放物線 Cx=u における接線はy=2uxu2+1である。これが (s,t) を通る条件はu22su+t1=0.α=s2t+1 とおけば、t<0 より α>0 であり、2根は sα,s+α である。したがって2本の接線はy=2(sα)x(sα)2+1,y=2(s+α)x(s+α)2+1である。

(2)
一般に、放物線 y=x2+1x=p,q (p<q) における接線を考える。2接線の交点の x 座標は (p+q)/2 であり、放物線と x=p における接線との差は (xp)2x=q における接線との差は (xq)2 である。よって囲まれる面積はS=p(p+q)/2(xp)2dx+(p+q)/2q(xq)2dx=(qp)324+(qp)324=(qp)312.本問では p=sα, q=s+α だからS=(2α)312=23α3.S=a よりα=(3a2)1/3,t=s2+1(3a2)2/3.さらに t<0s2<(3a2)2/31と同値である。したがって 0<a2/3 では解は存在しない。a>2/3 では(3a2)2/31<s<(3a2)2/31,t=s2+1(3a2)2/3がすべての解である。

総評

難度7、目安時間18分。接点を媒介変数で置くこと、放物線と接線の差が完全平方になること、最後の t<0a>2/3s の開区間へ戻すことが核心である。別解では面積を接点間隔 (qp)3/12 の一般公式として独立に導く。

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出典: 東京大学 2012年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。