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東京大学 2013年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

abを実数の定数とする。実数xyx2+y225,2x+y5をともに満たすとき,z=x2+y22ax2byの最小値を求めよ。

難易度8/ 10計算量6/ 10目安35

図形と方程式関数 図形的解釈、場合分け、範囲評価

方針

平方完成して、点 A0(a,b) から凸領域 D までの距離の二乗を求める問題に変える。境界は円弧、直線上の線分、その端点 E(0,5),F(4,3) の3種類である。最近点が (i) A0 自身、(ii) 円弧上の半径方向の射影、(iii) E、(iv) F、(v) 線分 EF への垂線の足、となる条件を順に求める。端点の場合は、円と直線の外向き法線の非負結合で A0E, A0F を表すと、境界条件を重複や漏れなく得られる。最後に各最近点を z=(xa)2+(yb)2a2b2 へ代入する。

解答

領域D={(x,y)x2+y225, 2x+y5}を考える。平方完成するとz=(xa)2+(yb)2a2b2である。したがって、点 A0(a,b) から D までの距離の二乗を d2 とすれば、求める最小値は d2a2b2 である。

円と直線の交点はE=(0,5),F=(4,3)である。最近点の位置ごとに条件を調べる。

1. 点 A0 自身が最近点となる場合

A0D の条件はa2+b225,2a+b5.このとき d=0 なので、最小値は a2b2 である。

2. 円弧上が最近点となる場合R=a2+b2 とする。円の外側 R5 にある A0 の半径方向の射影は(5aR,5bR)である。この点が残された円弧上にある条件は10a+5bR52a+bR.方向を円周上で見ると、これはa0またはb34aと同値である。したがって条件はa2+b225,(a0 または b34a).このとき d=R5 だから、最小値は(R5)2R2=2510R.3. 端点 E が最近点となる場合

E における円の外向き法線は (0,5)、直線境界の外向き法線は (2,1) である。よって(a,b)E=λ(0,5)+μ(2,1)(λ,μ0)と表せることが条件である。これを成分で解くとa0,b12a+5.このときの最小値はA0E2a2b2=2510b.4. 端点 F が最近点となる場合

同様に F における2本の外向き法線は (4,3), (2,1) である。(a,b)F=λ(4,3)+μ(2,1)(λ,μ0)を解くとλ=a2b1010,μ=3a+4b10.したがって条件は34ab12a5.このときの最小値はA0F2a2b2=258a+6b.5. 線分 EF の内部が最近点となる場合

直線 2x+y=5 への垂線の足は(a2b+105,2a+4b+55).この点が線分 EF 上にあり、A0 が直線の外側にある条件は2a+b5,12a5b12a+5.直線までの距離の二乗は (2a+b5)2/5 なので、最小値は(2a+b5)25a2b2=15a245b2+45ab4a2b+5.以上より、求める最小値は{a2b2(a2+b225, 2a+b5),2510a2+b2(a2+b225, a0 または b34a),2510b(a0, b12a+5),258a+6b(34ab12a5),15a245b2+45ab4a2b+5(2a+b5, 12a5b12a+5)である。境界上で条件が重なる場合、隣り合う式の値は一致する。

最近点は、青色領域の内部、灰色の円弧、橙色の線分、または両端点 E,F のいずれかである。

総評

難度8、目安時間35分。二変数の最小化を凸領域への最短距離として読み替え、境界を「円弧・線分・2端点」に分ける問題である。採点上は、候補点の値だけでなく、その点が実際に最近点になる (a,b) の条件を明示することが最重要である。とくに円弧の条件は a0 または b3a/4 であり、両方を同時に課してはいけない。線分への垂線の足が端点間にある条件、端点の法線方向、隣接領域の境界で式が一致することまで確認すると、場合分けの漏れを防げる。

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出典: 東京大学 2013年度 前期 文科 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。