Evolton

東京大学 2014年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

座標平面の原点をOで表す。

線分y=3x (0x2)上の点Pと,
線分y=3x (3x0)上の点Qが,
線分OPと線分OQの長さの和が6となるように動く。
このとき,線分PQの通過する領域をDとする。

(1) s3s2をみたす実数とするとき,
(s,t)Dに入るようなtの範囲を求めよ。

(2) Dを図示せよ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安32

図形と方程式関数 座標設定軌跡、範囲評価、図形的解釈

方針

Px 座標を u とおくと、長さ条件 OP+OQ=6 から Q の座標も u で表せる。固定した s に対して、線分 PQ 上で x=s となる点の t 座標を u の2次式として求める。あとは u の許される範囲 [max(0,s),min(2,s+3)] 上で、下向きに開く2次式の最大・最小を場合分けする。

解答

(1)

PP=(u,3u)(0u2) とおく。このとき OP=2u である。点 QQ=(v,3v) とおくと、3v0 であり OQ=2v である。条件 OP+OQ=6 より 2u2v=6 だから v=u3 である。よって Q=(u3,3(3u)) となる。0u2 なら 3u31 であるから、Q の範囲条件も満たしている。

線分 PQ 上の点を (1λ)Q+λP(0λ1) と表す。この点の x 座標が s であるとすると s=(1λ)(u3)+λu=u3+3λ より λ=su+33 である。したがって 0λ1u3su と同値であり、固定した s に対する u の範囲は max(0,s)umin(2,s+3) である。

この点の y 座標を t とするとt3=(1λ)(3u)+λu=3u+su+33(2u3)=23u2+(2s3+2)us.右辺を hs(u)=23u2+(2s3+2)us とおく。これは下向きに開く2次式で、頂点は u=s+32 であり、その値は hs(s+32)=s2+96 である。また必要になる端点の値はhs(0)=s,hs(s)=s,hs(s+3)=s,hs(2)=s+43である。 3s1 のとき、u の範囲は 0us+3 である。この区間に頂点 (s+3)/2 が含まれるので、最大値は (s2+9)/6、最小値は両端の値 s である。 1s0 のとき、u の範囲は 0u2 であり、頂点はこの区間に含まれる。端点では hs(0)=s,hs(2)=s+43 で、1s0 では s(s+4)/3 だから、最小値は s、最大値は (s2+9)/6 である。 0s1 のとき、u の範囲は su2 であり、頂点はこの区間に含まれる。端点では hs(s)=s,hs(2)=s+43 で、s(s+4)/3 だから、最小値は s、最大値は (s2+9)/6 である。 1s2 のとき、u の範囲は su2 であり、頂点 (s+3)/22 以上である。したがってこの区間では hs(u) は増加し、最小値は hs(s)=s、最大値は hs(2)=(s+4)/3 である。

以上をまとめると、点 (s,t)D に入るための t の範囲は3st36(s2+9)(3s1)および3st33(s+4)(1s2)である。

(2)

(1) より、領域 D は次のように図示される。下側の境界は t=3s(3s2) である。上側の境界は t=36(s2+9)(3s1)t=33(s+4)(1s2) である。したがってD={(s,t)3s1,3st36(s2+9)}{(s,t)1s2,3st33(s+4)}である。図では、下側は原点を頂点とする折れ線、上側は 3s1 で放物線、1s2 で直線となる。端点 s=3s=2 では上下の境界が一致する。

別解

解法2(線分族の包絡線)

方針

動く線分をパラメータ u の直線族として表す。直線族の包絡線を、点 (s,t) の高さを表す2次式の頂点から求める。残る境界はパラメータ区間の端と線分の端点が描く直線として整理する。

解答

(1) P=(u,3u) とおくと、長さ条件からQ=(u3,3(3u)),0u2となる。線分 PQ 上で x=s となる点の高さを t とすればt3=23u2+(2s3+2)usである。右辺を u の2次式と見ると、その頂点はu=s+32,t3=s2+96である。これが直線族の包絡線を与え、0u2 より対応する範囲は 3s1 である。

一方、線分の端点およびパラメータ端の直線を調べると、下側境界はt=3s(3s1),t=3s(1s2),包絡線が線分上に現れなくなる 1s2 の上側境界は、u=2 の線分t=33(s+4)である。したがって3st36(s2+9)(3s1)および3st33(s+4)(1s2)を得る。

(2) 上側の放物線と直線、下側の2本の直線で囲まれ、境界を含む領域が D である。図は解法1に示した通りである。

総評

難度7、計算量7。目安時間は32分。動く線分の通過領域を縦断面で見る問題で、座標設定後の u の範囲管理が最大の山である。s を固定したとき u[max(0,s),min(2,s+3)] を動くこと、t/3 が下向きの2次式になることを明示すれば、あとは端点と頂点の比較で整理できる。図示では下側の折れ線と上側の放物線・直線の接続点 s=1 を落としやすい。 領域図を追加し、第2解法では動く線分を直線族として包絡線と端の境界から同じ領域を導いた。

冊子PDFで見る東大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 東京大学 2014年度 前期 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。