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東京大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

座標平面上の3点P(x,y)Q(x,y)R(1,0)
鋭角三角形をなすための(x,y)についての条件を求めよ。
また,その条件をみたす点P(x,y)の範囲を図示せよ。

難易度4/ 10計算量3/ 10目安12

図形と方程式ベクトル 内積の利用座標設定円の性質図形的解釈

方針

鋭角三角形であることを,各頂点で隣り合う2辺の内積が正であることに直す。点QPの原点対称なので,PQでの条件はx2+y2>xx2+y2>xとなり,Rでの条件はx2+y2<1となる。これらをまとめてx<x2+y2<1とし,図示では単位円の内部から,直径がORおよび(1,0)Oに対応する2つの小円の内部と境界を除く。

解答

三角形が鋭角三角形であるためには,各頂点における2辺のなす角がすべて鋭角であればよい。これは,対応する2つのベクトルの内積がすべて正であることと同値である。

まず頂点Pでの条件を調べる。 PQ=(2x,2y),PR=(1x,y) であるからPQPR=(2x)(1x)+(2y)(y)=2(x2+y2x)である。したがって,Pにおける角が鋭角である条件は x2+y2>x である。

次に頂点Qでの条件を調べる。 QP=(2x,2y),QR=(1+x,y) なのでQPQR=2x(1+x)+2y2=2(x2+y2+x)である。よって x2+y2>x が必要十分である。

最後に頂点Rでは RP=(x1,y),RQ=(x1,y) であるからRPRQ=(x1)(x1)y2=1x2y2である。したがって x2+y2<1 である。

以上を合わせると x2+y2>x,x2+y2>x,x2+y2<1 である。前の2つは x2+y2>x とまとめられるので,求める条件は x<x2+y2<1 である。

図示について述べる。条件x2+y2<1は原点中心,半径1の円の内部である。また x2+y2>x(x12)2+y2>14 であり,中心(1/2,0),半径1/2の円の外部を表す。同様に x2+y2>x(x+12)2+y2>14 であり,中心(1/2,0),半径1/2の円の外部を表す。

したがって,求める点Pの範囲は,単位円の内部のうち,この2つの小円の内部および境界を除いた部分である。すべて鋭角でなければならないので,どの境界も含まない。

別解。
鋭角三角形であることは,各辺について「その辺を直径とする円の外側に,残りの頂点がある」こととしても読める。例えばPの角が直角になる境界は,Q,Rを直径の両端とする円であり,内積計算で得たx2+y2=xと一致する。結局,3つの直角境界を越えない条件として同じ領域が得られる。

別解

解法2

方針

三角形の3辺の長さを直接計算し,最大辺を場合分けせず,鋭角三角形の必要十分条件である『各辺の2乗が他の2辺の2乗和より小さい』を3本すべてに適用する。得られた3不等式を円の内外へ読み替え,境界を破線にして領域を図示する。

解答

3辺の長さの2乗はPQ2=4(x2+y2),PR2=(x1)2+y2,QR2=(x+1)2+y2.三角形が鋭角であるための必要十分条件は,各辺について,その2乗が他の2辺の2乗和より小さいことである。まずPQ2<PR2+QR2x2+y2<1.同様にQR2<PQ2+PR2x2+y2>x,PR2<PQ2+QR2x2+y2>x.したがって求める条件はx<x2+y2<1.前半の2条件を平方完成すると(x12)2+y2>14,(x+12)2+y2>14.よって単位円の内部から,中心(±1/2,0),半径1/2の2円の内部と境界を除いた部分である。

どの境界上でも直角または退化となるので,境界は含まない。

総評

難度4,計算量3。目安時間は12分。鋭角条件を3つの内積条件に分けて処理すれば計算は短い。P,Qが原点対称であるため,2つの条件がx2+y2>±xという対称な形になるのが見通しのよい点である。図示では,単位円の内部に加えて,中心(±1/2,0),半径1/2の小円の内部を除くことを明記する。境界上は直角または退化に対応するため,含めない点が重要である。

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出典: 東京大学 2016年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。