方針
面積はどちらも軸との交点からすぐに積分で求める。共有点がただ1点である条件は,2つの放物線の交点を与える2次方程式が重解をもつこと,すなわち判別式0である。これによりsをtで表し,Q/Pを0<t<1上の1変数関数2t(1−t2)に落とす。最後は微分で増減を調べ,端点では最大が達成されないことも確認する。
解答
放物線A:y=s(x−1)2は(1,0)でx軸に接し,y軸とは(0,s)で交わる。したがって,Aと両軸で囲まれる部分は0≦x≦1にあり,面積はP=∫01s(x−1)2dx=s[3(x−1)3]01=3sである。
また,B:y=−x2+t2のx≧0の部分はx=tでx軸と交わるので,両軸で囲まれる部分は0≦x≦tにある。よってQ=∫0t(t2−x2)dx=[t2x−3x3]0t=32t3である。
次に,AとBの共有点を調べる。交点のx座標は s(x−1)2=−x2+t2 を満たす。整理すると (s+1)x2−2sx+s−t2=0 である。2つの放物線がただ1点を共有するためには,この2次方程式が重解をもてばよい。判別式を4で割ったものを0とおくと s2−(s+1)(s−t2)=0 であり,(s+1)t2=s を得る。したがって s=1−t2t2 である。ここで0<t<1なので,このsは確かに正である。
よって PQ=s/32t3/3=s2t3=2t(1−t2) である。h(t)=2t(1−t2)とおくと h′(t)=2−6t2=2(1−3t2) である。0<t<1では,0<t<1/3で増加し,1/3<t<1で減少する。したがって最大は t=31 で生じ,最大値は2⋅31(1−31)=334=943である。
別解
解法2
方針
面積と接する条件からQ/P=2t(1−t2)までは同様に整理し,微分を使わず相加平均と相乗平均の関係で最大値を決める。
解答
面積はP=∫01s(x−1)2dx=3s,Q=∫0t(t2−x2)dx=32t3である。また,2つの放物線の交点を与える(s+1)x2−2sx+s−t2=0が重解をもつ条件から(s+1)t2=s,s=1−t2t2を得る。したがってPQ=2t(1−t2).ここで,正の3数t2,21−t2,21−t2の和は1である。相加平均と相乗平均の関係より4t2(1−t2)2≦271だから,0<t<1に注意して2t(1−t2)≦334=943.等号はt2=(1−t2)/2,すなわちt=1/3のときに成り立つ。よって最大値は943である。
総評
難度4,計算量4。目安時間は14分。面積計算,接する条件,1変数最大化が順に並ぶ取り切りたい問題である。判別式の式変形で(s+1)t2=sを出せれば,残りは2t(1−t2)の最大化に集中できる。端点t=0,1は条件外なので,開区間内の増減と等号成立点を明記することが採点上の安定につながる。
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出典: 東京大学 2017年度 前期日程 数学(文科)第1問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。