Evolton

東京大学 2020年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

a>0b>0とする。座標平面上の曲線C:y=x33ax2+bが,以下の2条件を満たすとする。

条件1: Cはx軸に接する。

条件2: x軸とCで囲まれた領域(境界は含まない)に,
x座標とy座標がともに整数である点がちょうど1個ある。

baで表し,aのとりうる値の範囲を求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安18

微分図形と方程式整数 接線・法線、展開・因数分解、数え上げ、範囲評価

方針

接する条件から三次式と導関数の共通零点を求め、b=4a3 と因数分解を得る。囲まれた領域に入る整数の x 座標を x=0,1 に絞り、境界を含まないことに注意して各縦線上の整数点を数える。

解答

f(x)=x33ax2+b とおく。Cx 軸に接するためには、f(x)=0 が重解をもつ。導関数はf(x)=3x(x2a)である。f(0)=b>0 だから接点は x=0 ではなく x=2a であり、f(2a)=b4a3=0.したがってb=4a3,f(x)=(x+a)(x2a)2.囲まれた開領域はa<x<2a,0<y<(x+a)(x2a)2である。とくに x=0 上の高さは f(0)=4a3 である。もし 4a3>2 なら (0,1),(0,2) がともに領域内に入り、条件2に反する。よって4a32,a123<1.この範囲では a<x<2a を満たす整数 x は、常に x=0、さらに a>12 のときだけ x=1 である。x=1 についてはf(1)1=a(4a23)<0である。実際、a1/23 から a2<3/4 となる。したがって f(1)<1 であり、x=1 上に正の整数点はない。

よって格子点は x=0 上だけを調べればよい。開領域内の格子点が (0,1) の1個だけになる必要十分条件は1<4a32.左端では (0,1) が境界上なので除かれ、右端では (0,2) が境界上なので (0,1) だけが残る。以上よりb=4a3,143<a123を得る。

別解

解法2(極値と高さを先に管理する方法)

方針

増減表から極小点が x=2a であることを使い、接する条件を b=4a3 とする。その後は x=0 上の高さを b として直接管理し、1<b2 が必要十分であることを示す。

解答

導関数f(x)=3x(x2a)の符号から、x=0 は極大点、x=2a は極小点である。b>0 なので極大点 (0,b)x 軸上にない。したがって Cx 軸に接する条件は、極小値が0になること、すなわちf(2a)=b4a3=0である。よって b=4a3 である。

ここで条件2を高さ b で考える。x=0 は囲まれた領域の内部を通り、その縦断面は0<y<b.格子点がちょうど1個なら、この縦断面だけから1<b2が必要である。したがってa=b43123<1.ゆえに領域内に入り得る整数の x 座標は 0 と、2a>1 の場合の 1 だけである。

x=1 での高さを b を用いて書くとf(1)=13b43+b.ただし直接 a で比較する方が簡明であり、f(1)1=a(4a23)<0となるから、x=1 上には正の整数点がない。したがって 1<b2 は十分でもある。

最後に b=4a3 へ戻すとb=4a3,143<a123.

総評

難度5、計算量4。想定時間は18分程度。接点を重解として処理した後、格子点を整数の x 座標ごとに数えるのが核心である。x=0 だけを見て終えると十分性が欠けるため、a<1 を得てから x=1 上の高さが1未満であることまで確認する。境界を含まないので、4a3=1 は不可、4a3=2 は可である。

冊子PDFで見る東大の微分の問題で問題集を作る

出典: 東京大学 2020年度 前期日程 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。