方針
解と係数の関係から α+β=−1,αβ=−k を使い,与式を α,β の対称式に直して k だけの関数にする。分母 (1−α)(1−β) は 2−k で,k>2 のため符号が負であることを意識して整理する。最後は u=k−2>0 とおき,2u+24/u の最小値を相加相乗平均,または微分で求め,等号条件が k>2 の範囲に入ることを確認する。
解答
解と係数の関係より α+β=−1,αβ=−k である。k>0 なので2つの解は実数であり,また k>2 より後で現れる分母 2−k は0でない。
与式を E とおく。共通分母にするとE=(1−α)(1−β)α3(1−α)+β3(1−β)=(1−α)(1−β)(α3+β3)−(α4+β4)である。まず分母は (1−α)(1−β)=1−(α+β)+αβ=1−(−1)−k=2−k である。
次に分子を求める。s=α+β=−1,p=αβ=−k とおくと α3+β3=s3−3ps=(−1)3−3(−k)(−1)=−1−3k である。また α2+β2=s2−2p=1+2k よりα4+β4=(α2+β2)2−2α2β2=(1+2k)2−2k2=1+4k+2k2である。したがってE=2−k(−1−3k)−(1+4k+2k2)=2−k−2−7k−2k2=k−22k2+7k+2となる。さらに 2k2+7k+2=2k(k−2)+11(k−2)+24 であるから E=2k+11+k−224 である。
ここで u=k−2 とおくと,u>0 であり,E=2u+15+u24 となる。相加相乗平均より 2u+u24≧22u⋅u24=83 である。等号は 2u=u24,u2=12 すなわち u=23 のとき成り立つ。このとき k=2+23>2 で条件を満たす。よって求める最小値は 15+83 である。
別解
別解(根ごとの整式除法)
方針
分母をそれぞれ α+2,β+2 と読み替え,x3/(x+2) を整式除法する。二つの根に代入して足すと,低次の対称式と逆数和だけで一気に k の式になる。最後は平方完成に相当する恒等式で下限と等号条件を同時に示す。
解答
解と係数の関係からα+β=−1,αβ=−kである。また1−β=α+2,1−α=β+2だから,与式を E とするとE=α+2α3+β+2β3である。
ここで整式除法によりx+2x3=x2−2x+4−x+28である。したがってE=(α2+β2)−2(α+β)+8−8(α+21+β+21).各項はα2+β2=(α+β)2−2αβ=1+2kおよびα+21+β+21=αβ+2(α+β)+4α+β+4=2−k3となる。よってE=2k+11+k−224.u=k−2>0 とおけばE=15+2u+u24=15+83+u2(u−23)2.右辺の最後の項は0以上であり,u=23,すなわち
k=2+23 のときに限り0となる。この値は k>2 を満たすから,求める最小値は15+83である。
総評
目安時間は12分。対称式で共通分母を処理する標準解法と,根ごとに整式除法する別解の双方で E=2k+11+24/(k−2) を確認した。最小値では k>2 を u>0 に移し,等号を与える k=2+23 が定義域に入ることまで書く。分母 2−k の符号を落とすのが最大の注意点である。
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出典: 東京大学 2023年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。