方針
(1) は I,J を別々に積分し切ろうとせず、部分積分による2本の関係式を作って連立する。
(2)は曲線が第1象限を x の減少方向に進むことを確認し、
面積を −∫ydx と表す。倍角公式で (1) の a=−3 に帰着させる。
解答
(1)
部分積分によりI=[21eatsin2t]02π−2aJ=−2aJ.またJ=[−21eatcos2t]02π+2aI=2e2aπ+1+2aI.連立してI=−a2+4a(e2aπ+1),J=a2+42(e2aπ+1).(2)
曲線は (1,0) から (0,e−π/2) へ進み、dtdx=e−2t(−2cost−sint)<0.よってS=−∫02πydtdxdt.したがってS=∫02πe−3t(2sintcost+sin2t)dt=∫02πe−3tsin2tdt+21∫02πe−3tdt−21∫02πe−3tcos2tdt.(1)へ a=−3 を代入すると∫02πe−3tsin2tdt=132(1+e−23π),∫02πe−3tcos2tdt=133(1+e−23π).また∫02πe−3tdt=31−e−23π.以上よりS=398−5e−23π.
別解
解法2(原始関数と別の面積公式を使う方法)
方針
(1) は eat(αcos2t+βsin2t) を微分して係数を合わせ、
原始関数を直接作る。(2)は座標軸上の線分では xdy=0 であることを用い、
面積を曲線上の ∫xdy として計算する。解法1とは異なる面積表示で符号も確認する。
解答
(1)
微分して確かめると∫eatcos2tdt=a2+4eat(acos2t+2sin2t),∫eatsin2tdt=a2+4eat(asin2t−2cos2t).端点 0,π/2 を代入してI=−a2+4a(e2aπ+1),J=a2+42(e2aπ+1).(2)
囲まれた領域と曲線の概形は次の通りである。
正の向きに境界を一周すると、座標軸上の部分は xdy=0 なのでS=∫02πxdtdydt.ここでdtdy=e−t(cost−sint)よりS=∫02πe−3t(cos2t−sintcost)dt=21∫02πe−3tdt+21∫02πe−3tcos2tdt−21∫02πe−3tsin2tdt.(1)の a=−3 の値を代入して整理するとS=398−5e−23π.
総評
難度5、計算量5、目安20分。(1)の2積分は部分積分を2回繰り返すより、
I,J の連立または原始関数の係数合わせで処理する方が安全である。
(2)では媒介変数 t の増加と x の向きが逆なので、
−∫ydx を使う場合の負号を落とさない。
別解の ∫xdy は座標軸上の寄与が0であることを確認してから用いる。
積分はすべて表示数式に分け、指数と倍角の項を見失わない形に整理した。
冊子PDFで見る横国の積分の問題で問題集を作る
出典: 横浜国立大学 令和4年度一般選抜前期 数学 第1問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。