横浜国立大学 2022年度
理系数学 第5問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 理工・都市科学部
- 分野
- 微分、指数・対数、三角関数
- 解法
- 増減表、微分による最大最小、不等式評価、範囲評価
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 —
問題
aを0<a≦1をみたす実数とする。関数
f(x)=2log(sin(ax))−(logx)2(1<x<2π)
について、次の問いに答えよ。
(1) f(x)を微分せよ。
(2) a=1のとき、f(x)の極値を与えるxの個数を求めよ。
(3) a≦21のとき、f(x)は極値をもたないことを示せ。ただし、log2π<21を証明せずに用いてよい。
出典:横浜国立大学 2022年度 前期 理系 第5問
方針
解法1(導関数の単調性を調べる方法)
(1)は合成関数として微分する。(2)は a=1 のときf′′(x)<0 を示し、f′ が端点近くで正から負へ一度だけ変わることを使う。(3)は y=ax<π/4 と置き、ycoty>1/2 とlogx<1/2 を比較して f′(x)>0 を示す。
解法2(2つの単調関数の交点として調べる方法)
f′(x)=0 を axcot(ax)=logx と変形する。a=1 では左辺 xcotx が減少、右辺 logx が増加するため、端点の大小比較だけで交点が1個と分かる。(3)は 2y−tany の微分から ycoty>1/2 を証明する。
解答
解法1(導関数の単調性を調べる方法)
(1)
f′(x)=sin(ax)2acos(ax)−x2logx.
(2)
a=1 のとき
f′(x)=2cotx−x2logx,
f′′(x)=−sin2x2−x22(1−logx).
1<x<π/2 では logx<1 だから f′′(x)<0 であり、f′ は狭義単調減少する。また
x→1+limf′(x)=2cot1>0,x→(π/2)−limf′(x)=−π4log2π<0.
中間値の定理と単調性により f′(x)=0 の解はただ1個である。よって極値を与える x の個数は
1個.
(3)
0<a≦1/2 とすると
0<y=ax<4π.
siny<y、cosy>2/2 より
ycoty=sinyycosy>cosy>22>21.
一方、問題文の条件から
logx<log2π<21.
したがって
2xf′(x)=axcot(ax)−logx>0.
よって f′(x)>0 であり、f は定義域全体で狭義単調増加する。したがって
f(x) は極値をもたない.
解法2(2つの単調関数の交点として調べる方法)
(1)
対数微分と合成関数の微分により
f′(x)=2acot(ax)−x2logx.
(2)
a=1 のとき
f′(x)=0⟺xcotx=logx.
L(x)=xcotx とおくと
L′(x)=sin2xsinxcosx−x<0,
ここで 0<sinxcosx<x を用いた。一方、logx は増加する。また
L(1)=cot1>0=log1,x→(π/2)−limL(x)=0<log2π.
よって両者の交点はただ1個であり、
極値を与える x は1個.
(3)
0<y<π/4 で
H(y)=2y−tany
とおく。H(0)=0 であり、
H′(y)=2−cos2y1>0
だから tany<2y、すなわち
ycoty>21.
y=ax とすれば 0<y<π/4 であり、
2xf′(x)=axcot(ax)−logx>21−log2π>0.
よって f′(x)>0 が定義域全体で成り立ち、
f(x) は極値をもたない.