方針
(1) ではv=(γ−α)/(β−α)が、辺ABを辺ACへ移す回転を表すことを使う。(2)ではα=cosθ+isinθとおき、(1)の2候補のうち∣γ∣≧1を満たすものを判定する。残った候補について重心の絶対値をθの三角関数で表し、最大値を求める。
解答
(1) γ−α=v(β−α)である。正三角形では、ABをACに移すには、長さを変えずに60∘または−60∘回転すればよい。したがってv=21+23i,v=21−23iである。
(2) α=cosθ+isinθとおく。まずv=21+23iの場合、計算により∣γ∣2=∣(1−v)α+vα2∣2=2+2cos(θ+32π)である。0<θ≦2πではcos(θ+32π)<−21となるので、∣γ∣<1であり、条件を満たさない。
次にv=21−23iの場合、∣γ∣2=2+2cos(θ−32π)であり、0<θ≦2πでは∣γ∣≧1が成り立つ。
この候補について、重心はz=3α+β+γ=3(2−v)α+(1+v)α2である。直接計算すると∣z∣2=32{1+cos(θ−3π)}である。したがって∣z∣2≦34であり、等号はθ=3πのときに成り立つ。よって求める最大値は32=323である。
別解
解法2(垂直二等分線上の長さで求める方法)
方針
A、Bは単位円上にあり、ABの中点Dを通る垂直二等分線上にOと正三角形の頂点Cが並ぶ。∣γ∣≧1 でCの側を決め、重心Gまでの距離を三角比で最大化する。
解答
(1)
γ−α=v(β−α) であり、辺ABをAを中心に ±π/3 回転すると辺ACになる。したがってv=cos3π±isin3π=21±23i.(2)
ABの中点をDとする。OA=OB=1 で中心角 ∠AOB=θ だからOD=cos2θ,AD=sin2θ.また正三角形ABCよりCD=3AD=3sin2θ.ODとCDはいずれもABに垂直なので、O、D、Cは同一直線上にある。Cの2候補についてOC=cos2θ±3sin2θ.0<θ≦π/2 で ∣γ∣=OC≧1 を満たすのは、DからOと反対側へ進む正符号の候補である。重心Gは中線CDを CG:GD=2:1 に分けるのでDG=31CD=31sin2θ.よって∣z∣=OG=cos2θ+31sin2θ=32cos(2θ−6π).0<θ/2≦π/4 であり、θ=π/3 のとき余弦が1になる。したがって最大値は32=323.
総評
複素数の回転と正三角形の幾何を結び付ける問題。目安時間は20〜25分。標準解法は複素数の絶対値計算、別解はABの垂直二等分線上の長さを用いた。頂点Cは2候補あるため、∣γ∣≧1 で外側の候補を選ぶ過程が核心である。最大時 θ=π/3 が指定範囲に含まれることも確認する。
冊子PDFで見る横国の複素数平面の問題で問題集を作る
出典: 横浜国立大学 令和5年度一般選抜前期 数学 第3問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。