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横浜国立大学 2023年度 前期理系数学 第5問

関数f(x)=exを考える。次の問いに答えよ。

(1) 正の実数xに対して、以下の不等式を示せ。1x<f(x)<1x+x222以上の整数n,N(ただしNn)に対してSn,N=k=nN1k21f(1k)とおく。

(2) 2以上の整数n,N(ただしNn)に対して、次の不等式を示せ。1n1N+1<Sn,N<(1n1N+1)(1+12n(n1))(3) 各nに対して、極限値limNSn,Nは存在し、その極限値をSnとおく。S9の小数第3位まで(小数第4位切り捨て)を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

微分数列 不等式評価、はさみうち、和の計算極限計算

方針

(1) は補助関数を作って微分し、exを上下から評価する。(2)ではx=1/kを代入し、下側は1/(k(k+1))の和として望遠和にする。上側の余分な項は下側の各項に対して一様に小さいことを使う。(3)は(2)でNとしてS9を十分狭い範囲に挟む。

解答

(1)
g(x)=ex(1x)とおくと、g(0)=0でありg(x)=1ex>0である。よってx>01x<exである。

次にh(x)=1x+x22exとおく。h(0)=0であり、h(x)=1+x+ex,h(x)=1ex>0である。h(0)=0だからx>0h(x)>0、さらにh(x)>0である。したがってex<1x+x22である。

(2)
(1)にx=1kを代入し、1k21を掛けると、下側は11kk21=1k(k+1)である。よってSn,N>k=nN1k(k+1)=1n1N+1である。

上側については1k21(11k+12k2)=1k(k+1)+12k2(k21)である。またknより12k2(k21)=1k(k+1)12k(k1)1k(k+1)12n(n1)である。したがって求める上側の不等式も得る。

(3)
(2)よりSn,NNについて上に有界であり、各項が正なので単調増加である。したがってlimNSn,Nは存在する。

n=9として(2)でNとすると19<S9<19(1+1298)=1451296である。すなわち0.111<S9<0.111882であるから、小数第4位を切り捨てて小数第3位まで求めるとS9=0.111である。

別解

解法2(積分表示から評価する方法)

方針

ex を積分表示し、積分核を0と1の間で評価して(1)を示す。(2)では下側を望遠和にし、上側の誤差をその各項の一定倍以下に抑える。

解答

(1)
x>0 ではex=10xetdt.0<et<10<tx)より ex>1x である。また2回積分した形ex=1x+0x(xt)etdtを用いると0<0x(xt)etdt<0x(xt)dt=x22.よって 1x<ex<1x+x2/2 である。

(2)
(1)に x=1/k を代入すると11/kk21=1k(k+1)だからSn,N>k=nN1k(k+1)=1n1N+1.上側との差は12k2(k21)=1k(k+1)12k(k1)1k(k+1)12n(n1).これを足せばSn,N<(1n1N+1)(1+12n(n1)).(3)
正項の部分和であり、(2)で上に有界だから極限 Sn は存在する。n=9 として N とすれば19<S9<19(1+1144)=1451296.すなわち0.111111<S9<0.111882なので、小数第4位を切り捨てた小数第3位までの値は0.111である。

総評

指数関数の評価を正項級数の上下界へ接続する誘導問題。目安時間は20〜25分。標準解法は補助関数の微分、別解は積分表示を用いた。(2)の誤差項を望遠和の項 1/{k(k+1)} の一定倍に直すのが要点である。(3)は有限和の不等式から収束を示した後に N とし、上下端がともに0.111台であることを確認する。

冊子PDFで見る横国の微分の問題で問題集を作る

出典: 横浜国立大学 令和5年度一般選抜前期 数学 第5問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。