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北海道大学 1982年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

平面上の2定点を A(1,0)B(2,0) とし、直線l:y=mx(m0)を考える。

(1) 直線 l に関する点 B の対称点を求めよ。

(2) 直線 l 上に点 P を、AP+PB が最小となるようにとる。m が変化するとき、点 P の描く図形を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安28

図形と方程式ベクトル 図形的解釈微分による最大最小軌跡

方針

(1) は直線の方向ベクトルへの射影を用いて、点 B から直線 l へ下ろした足を先に求める。対称点は「足を中点とする点」なので、座標を最後まで成分で追う。(2) は最短経路の反射法を使い、Pl 上にあるとき PB=PB となることから、AP+PBAP+PB に置き換える。最小となる P は直線 ABl の交点であり、そこから m を消去して円の一部を得る。最後に m0 と有限の m で到達しない点を確認する。

解答

(1)
直線 l の方向ベクトルを v=(1,m) とする。点 B(2,0) から l へ下ろした足を H とすると、HBv 方向への射影であるからH=(2,0)(1,m)12+m2(1,m)=(21+m2,2m1+m2)である。直線 l に関する対称点を B とすると、HBB の中点である。したがって B=2HB よりB=(41+m22,4m1+m2)=(2(1m2)1+m2,4m1+m2)である。

(2)
(1) の対称点を B とする。P が直線 l 上にあるとき、対称性より PB=PB であるから AP+PB=AP+PB である。したがって AP+PB を最小にする P は、直線 AB と直線 l の交点である。ただし A,B を結ぶ線分が l と交わることを、計算の中で確認すればよい。

直線 AB 上の点を P=A+λ(BA) とおく。ここでBA=(2(1m2)1+m21,4m1+m2)=(13m21+m2,4m1+m2)であるから P=(1+λ13m21+m2,λ4m1+m2) である。この点が l:y=mx 上にある条件を用いる。m0 なので両辺を m で割ると 4λ1+m2=1+λ13m21+m2 となる。よって 4λ=1+m2+λ(13m2) であり、整理して 3(1+m2)λ=1+m2 を得る。したがって λ=13 である。これは 0<λ<1 を満たすので、交点は線分 AB 上にある。ゆえに P=(43(1+m2),4m3(1+m2)) である。 P=(x,y) とおくと x=43(1+m2),y=4m3(1+m2) である。したがってx2+y2=16(1+m2)9(1+m2)2=169(1+m2)=43xとなる。よって (x23)2+y2=49 である。

ただし m0 だから y0 であり、円上の点 (4/3,0) は含まれない。また有限の m に対して x=4/(3(1+m2))>0 であるから、点 (0,0) も含まれない。逆に、この円上で (0,0)(4/3,0) を除いた点は x>0 かつ y0 を満たすので、m=y/x とおけば上の表示で得られる。したがって求める図形は(x23)2+y2=49 のうち (0,0),(4/3,0) を除いた部分である。

別解

解法2(距離の微分)

方針

P=(u,mu) と置き、AP+PBu の関数として直接微分する。得られた唯一の最小点から m を消去し、端点が実際に取られるかも確認する。

解答

(1)
B から l へ下ろした垂線の足を H とする。H=(s,ms) と置くと(2s,ms)(1,m)=0,よって s=2/(1+m2) である。対称点を B とすれば HBB の中点だからB=2HB=(2(1m2)1+m2,4m1+m2).(2)
P=(u,mu) と置き、F(u)=AP+PB とする。m0 なので各距離は滑らかで、F(u)=(1+m2)u1AP+(1+m2)u2PB.u0=43(1+m2)と置くと、直接計算により PB=2AP であり、2つの分子はそれぞれ 1/3,2/3 となる。したがって F(u0)=0 である。各距離は直線上で狭義凸だから、この点が唯一の最小点である。

よってP=(43(1+m2),4m3(1+m2)).P=(x,y) とすればx2+y2=43x,すなわち(x23)2+y2=49.m0 かつ有限であるため (4/3,0),(0,0) は取られず、それ以外は m=y/x により取られる。したがって求める軌跡は、この円から2点 (0,0),(4/3,0) を除いた部分である。

総評

反射法と距離関数の微分を対比する軌跡問題。目安28分。最小点の座標だけでなく、円周上の除外2点を最後まで確認することが重要である。反射法では交点が線分上にあること、微分法では最小点の一意性も確かめた。

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出典: 北海道大学 1982年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。