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北海道大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

mを2より大きい実数とする.xの2つの方程式x22m+1x+3×2m=0(A)2log2xlog2(x1)=m(B)について,次の問に答えよ.

(1) 方程式(A),(B)のそれぞれは,2つの異なる実数解をもつことを示せ.

(2) 方程式(A)の解のうち,ちょうど1つだけが方程式(B)の2つの解の間にあることを示せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安25

指数・対数方程式・不等式 判別式、式変形、範囲評価

方針

M=2m と置くと M>4 であり、(A)も(B)も2次方程式として扱える。(1)では判別式に加え、(B)で得た2解が対数の定義域 x>1 に入ることまで確認する。(2)では(B)の2次式 q(x)=x2Mx+M を作り、(A)の根での q(x) の符号を見る。(A)の2根が 2 をはさむことと、(A)の根では q(x)=M(x2) となることを組み合わせれば、ちょうど1根だけが(B)の2根の間にあると分かる。

解答

M=2m とおく。m>2 より M>4 である。

(1)
(A)は x22Mx+3M=0 である。判別式は (2M)243M=4M(M3) であり、M>4 だから正である。よって(A)は2つの異なる実数解をもつ。

(B)では、対数が定義されるために x>1 が必要である。このもとで 2log2xlog2(x1)=mlog2x2x1=log2M と同値であり、さらに x2=M(x1) すなわち x2Mx+M=0 と同値である。この判別式は M24M=M(M4)>0 なので、2つの異なる実数解をもつ。

定義域も確認する。q(x)=x2Mx+M とおくと q(1)=1>0,q(2)=4M<0 であるから、小さい方の根は 12 の間にある。また2根の積は M>0 であり、和も M>0 であるから、もう一方の根も正で、しかも小さい根より大きい。したがって(B)の2解はいずれも x>1 を満たす。よって(B)も2つの異なる実数解をもつ。

(2)
(A)の左辺を p(x)=x22Mx+3M とおく。まず(A)の2根の位置を調べる。 p(0)=3M>0,p(2)=44M+3M=4M<0 である。上に開く2次式であるから、(A)の小さい根を α、大きい根を β とすると 0<α<2<β である。

次に(B)の2次式 q(x)=x2Mx+M を考える。差を取ると q(x)p(x)=Mx2M=M(x2) である。したがって(A)の根、すなわち p(x)=0 を満たす x では q(x)=M(x2) となる。よって q(α)=M(α2)<0,q(β)=M(β2)>0 である。

(B)の2つの解を r<s とする。q(x) は上に開く2次式なので、q(x)<0 となるのは r<x<s のときに限る。したがって q(α)<0 より α は(B)の2解の間にあり、q(β)>0 より β はその間にない。ゆえに(A)の解のうちちょうど1つだけが(B)の2つの解の間にある。

2つの二次式の符号から決まる4根の順序

別解

解法2

方針

(1) M=2m>4 とおき、2つの方程式を二次方程式 p(x)=0q(x)=0 に直す。判別式と対数の定義域を確認する。(2) 今度は(B)の2根 r<s で(A)側の式 p(x) の符号を調べる。r<2<sp(x)=M(2x) を組み合わせ、4根の順序を直接決める。

解答

(1) M=2m とおくと M>4 である。(A)、(B)はそれぞれp(x)=x22Mx+3M=0,q(x)=x2Mx+M=0となる。ただし(B)では x>1 が必要である。

p(x)=0 の判別式は 4M(M3)>0q(x)=0 の判別式は M(M4)>0 だから、いずれも異なる2実根をもつ。さらにq(1)=1>0,q(2)=4M<0なので、q(x)=0 の小さい根は 12 の間にある。大きい根はそれより大きく、2根の積が M>0 であることから正である。よって(B)の2根はともに定義域に入り、(1)が示された。

(2) (B)の2根を r<s とする。上の符号から 1<r<2<s である。実際、q(2)<0 であり、q は上に開くから 2 は2根の間にある。

q(x)=0 を満たす点では x2=MxM だからp(x)=x22Mx+3M=M(2x)である。したがってp(r)=M(2r)>0,p(s)=M(2s)<0.(A)の2根を α<β とする。p(s)<0 より α<s<β である。また p(r)>0 であり r<s<β だから、rβ より右にはなく、r<α でなければならない。ゆえにr<α<s<βとなる。(A)の2根のうち(B)の2根の間にあるのは α だけである。

総評

難易度は6、計算量は5程度である。想定時間は20分から30分程度。(1)は判別式だけで終わらせず、(B)の対数の定義域 x>1 に2解が入ることを示す必要がある。(2)は「2根の間」を2次式の符号で判定する典型問題である。(A)の根を具体的に求めるより、(A)の根で(B)側の2次式が M(x2) になることを利用する方が見通しがよい。定義域の見落とし、2 を境にした根の位置確認不足、上に開く放物線の符号の取り違えが主な失点箇所である。 2つの解法と解説図を相互に照合し、境界値・定義域・必要十分性・符号も確認した。

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出典: 北海道大学 1984年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。