方針
g(x) を指数式のまま扱い、g(a) と g(t) を f に代入して分母分子を整理する。これは双曲線関数の加法公式と同じ形だが、答案では指数だけで直接示せばよい。漸化式は x1=g(a) と f(g(t))=g(t+a) から帰納的に xn=g(na) と表す。a>0 なら e2na が限りなく大きくなるので極限は1になる。別解として、(1+xn)/(1−xn)) を作ると毎回 e2a 倍されることからも同じ結論を得られる。
解答
(1) g(t)=e2t+1e2t−1,g(a)=e2a+1e2a−1 である。したがって f(g(t))=1+g(a)g(t)g(a)+g(t) である。
分子を通分するとg(a)+g(t)=(e2a+1)(e2t+1)(e2a−1)(e2t+1)+(e2t−1)(e2a+1)であり、分子のさらに上側は 2e2ae2t−2=2(e2(a+t)−1) である。
一方、分母側は1+g(a)g(t)=(e2a+1)(e2t+1)(e2a+1)(e2t+1)+(e2a−1)(e2t−1)であり、分子のさらに上側は 2e2ae2t+2=2(e2(a+t)+1) である。よって f(g(t))=e2(a+t)+1e2(a+t)−1=g(t+a) である。
(2) x1=g(a) である。(1) より、もし xn=g(na) なら xn+1=f(xn)=f(g(na))=g((n+1)a) である。したがって数学的帰納法により xn=g(na) がすべての正の整数 n で成り立つ。 a>0 であるから、n→∞ のとき e2na→∞ である。したがってn→∞limxn=n→∞lime2na+1e2na−1=1である。
別解
解法2(分数変換で等比数列化)
方針
h(x)=(1+x)/(1−x) と置くと、h(g(t))=e2t、h(f(x))=e2ah(x) となる。加法関係と数列の極限を一つの等比関係から導く。
解答
(1) h(x)=1−x1+xと置く。定義から直接整理するとh(g(t))=e2t.また c=g(a) と書けばh(f(x))=1−(c+x)/(1+cx)1+(c+x)/(1+cx)=1−c1+c1−x1+x=e2ah(x).したがってh(f(g(t)))=e2ae2t=e2(t+a)=h(g(t+a)).h は (−1,1) で1対1だから f(g(t))=g(t+a) である。
(2)
yn=h(xn) と置くとyn+1=e2ayn,y1=e2a.よって yn=e2na であり、xn=yn+1yn−1=e2na+1e2na−1.a>0 なので yn→∞ であり、n→∞limxn=1.
総評
双曲線正接型の加法関係と反復数列を扱う問題で、目安は18分。指数式を直接通分する方法と、(1+x)/(1-x)で積へ変える方法を比較すると構造が明確になる。a>0が極限1を保証する。
冊子PDFで見る北大の指数・対数の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 1986年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。