方針
(1) は導関数 f′(x)=3x2−1 の符号で「減少しない」範囲を読む。(2) では n≧1 の区間 [n,n+1) が x≧1 側にあるため、f はそこで増加する。半開区間なので値域は [f(n),f(n+1)) となる。両端の値が「整数 +2/3」の形なので、その間に含まれる整数の個数を端の整数部分の差として数え、最後は ak=3k(k+1) を部分分数で和にする。
解答
(1) f(x)=x3−x+32 より f′(x)=3x2−1 である。f(x) が減少しないためには f′(x)≧0 であればよいので 3x2−1≧0 を解く。したがって x2≧31 であり、x≦−31またはx≧31である。
(2) n は正の整数であるから、区間 n≦x<n+1 は x≧1 に含まれる。(1) よりこの区間で f は増加する。したがって、n≦x<n+1 における f(x) の値域は f(n)≦f(x)<f(n+1) である。
ここで f(n)=n3−n+32 であり、f(n+1)=(n+1)3−(n+1)+32 である。n3−n と (n+1)3−(n+1) は整数である。したがって、[f(n),f(n+1)) に含まれる整数の個数は {(n+1)3−(n+1)}−(n3−n) である。よって an=(n+1)3−(n+1)−n3+n であり、整理して an=3n2+3n=3n(n+1) となる。
したがってak1=3k(k+1)1=31(k1−k+11)である。よってk=1∑nak1=31k=1∑n(k1−k+11)であり、隣り合う項が消えてk=1∑nak1=31(1−n+11)=3(n+1)nである。
別解
解法2(整数区間の端を数える)
方針
導関数の符号で増加範囲を求める。各区間の像の両端が「整数に 2/3 を加えた数」であることから、間にある整数を端の整数部分の差として数え、逆数和を部分分数分解する。
解答
(1) f′(x)=3x2−1だから、f が減少しない範囲はx≦−31またはx≧31.(2)
n≧1 では f は区間 [n,n+1) で狭義増加する。整数N=n3−n,M=(n+1)3−(n+1)を用いると値域はN+32≦f(x)<M+32.この範囲の整数は N+1,N+2,…,M で、その個数はan=M−N=3n(n+1).したがってak1=31(k1−k+11)よりk=1∑nak1=31(1−n+11)=3(n+1)n.
総評
3次関数の単調性と整数値の個数を結ぶ問題で、目安は18分。半開区間の右端を含まないことに注意する。両端が同じ小数部分2/3をもつため、整数値の個数は整数部分の差になり、逆数和は望ましい形に telescoping する。
冊子PDFで見る北大の関数の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 1986年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。