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北海道大学 1986年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

θπ2<θ<π2を満たす定数とし,
X=(0tanθtanθ0)
E=(1001)とする.
このとき(E+X)(EX)1で表される1次変換は,
原点を中心とする回転であることを示せ.
また,その回転角を,θを用いて表せ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

行列三角関数 ベクトル成分計算回転・拡大三角比の利用

方針

t=tanθ と置いて、EX の逆行列を直接計算する。π/2<θ<π/2 なので t は実数であり、1+t2>0 だから逆行列は常に存在する。積を計算した後、倍角公式 cos2θ=(1t2)/(1+t2)sin2θ=2t/(1+t2) に直すと、標準的な回転行列になる。

解答

t=tanθ とおく。π/2<θ<π/2 であるから t は実数であり、1+t2>0 である。

このときE+X=(1tt1),EX=(1tt1)である。EX の行列式は 1+t2 であるから、逆行列は(EX)1=11+t2(1tt1)である。

したがって(E+X)(EX)1=11+t2(1tt1)(1tt1)である。積を計算すると(E+X)(EX)1=11+t2(1t22t2t1t2)となる。

ここで t=tanθ だから、倍角公式より 1t21+t2=cos2θ,2t1+t2=sin2θ である。よって(E+X)(EX)1=(cos2θsin2θsin2θcos2θ)である。

これは原点を中心として角 2θ だけ回転する1次変換を表す行列である。したがって求める回転角は 2θ である。

別解

解法2(点の像から回転を確認)

方針

(EX)(u,v)=(x,y) を解き、続けて E+X を作用させて点の像を求める。像の座標を倍角公式で整理し、長さと向きから回転角を確認する。

解答

任意の点 (x,y) に対し(EX)(uv)=(xy)を解く。t=tanθ と置けばu=xty1+t2,v=tx+y1+t2.次に E+X を作用させた像を (X,Y) とするとX=utv=(1t2)x2ty1+t2,Y=tu+v=2tx+(1t2)y1+t2.倍角公式よりX=xcos2θysin2θ,Y=xsin2θ+ycos2θ.これは各点を原点のまわりに角 2θ だけ回転した座標である。したがって求める変換は原点中心の回転で、回転角は 2θ である。

総評

行列の分数式と回転行列を結ぶ問題で、目安は15分。逆行列の係数と積の符号を丁寧に計算し、tanの倍角公式からcos2θとsin2θを同時に確認する。問題文が行列を明示するため行列の使用は適切である。

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出典: 北海道大学 1986年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。