Evolton

北海道大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

xの2つの関数f(x)=2x33ax2+a33a+3g(x)=3x26ax+3a2について,次の問に答えよ.

(1) 2曲線y=f(x)y=g(x)x=tにおける接線が平行となるtの値を求めよ.
ただし,a>1とする.

(2) (1)で定まる2組の接線が囲む図形の面積をSaを用いて表せ.

(3) a1<a3の範囲を動くとき,Sの最大値およびSが最大となるaの値を求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安25

微分積分関数 接線・法線面積計算微分による最大最小

方針

まず f(t)=g(t) から接線が平行になる t を求める。t=a では2本の水平線、t=1 では同じ傾きの2本の斜線が得られるので、4本の直線が平行四辺形を作る。面積は、水平線の間の縦の距離と、同じ高さで見た斜線2本の横の距離の積として求める。最後は S=12(a1)(a22a2) を、符号が変わる a=1+3 と増減が変わる a=2 に注意して最大化する。

解答

(1)
微分すると f(x)=6x26ax=6x(xa),g(x)=6x6a=6(xa) である。x=t における接線が平行であるための条件は、傾きが等しいこと、すなわち 6t(ta)=6(ta) である。よって (ta)(t1)=0 となる。a>1 であるから、求める値は t=1,t=a である。

(2)
まず t=a の接線を求める。このとき傾きは0であり、f(a)=33a,g(a)=0 だから、2本の接線は y=33a,y=0 である。これらは水平線であり、間の縦の距離は 0(33a)=3(a1) である。

次に t=1 の接線を考える。傾きはいずれも f(1)=g(1)=6(1a)=6(a1) である。2本の接線は平行であり、同じ x における縦の差は一定で、g(1)f(1) に等しい。ここで f(1)=a36a+5,g(1)=3a26a+3 なのでg(1)f(1)=3a26a+3(a36a+5)=a3+3a22=(a1)(a22a2).したがって、斜線2本を同じ高さで切ったときの横の距離は g(1)f(1)6(a1) である。なぜなら、傾きの絶対値が 6(a1) なので、縦の差を傾きの絶対値で割れば横の差になるからである。

よって4本の接線が囲む平行四辺形の面積 SS=3(a1)g(1)f(1)6(a1)=12g(1)f(1) である。すなわち S=12(a1)(a22a2) である。

(3) 1<a3S=12(a1)(a22a2) を最大化する。a1>0 なので、符号は a22a2 によって決まる。方程式 a22a2=0 の正の根は a=1+3 である。

まず 1<a1+3 では a22a20 だから S=12(a1)(a22a2) である。h(a)=(a1)(a22a2)=a33a2+2 とおくと h(a)=3a(a2) である。したがって h(a)1<a<2 で減少し、2<a<1+3 で増加する。よって h(a)a=2 で最大となり、S=12h(2)=12(812+2)=1 である。

次に 1+3a3 では S=12h(a) である。この範囲では a>2 なので h(a)>0、したがって S は増加する。最大は a=3 で、S=12h(3)=12(2727+2)=1 である。

以上より、S の最大値は 1 であり、そのときの aa=2,a=3 である。

別解

解法2:4交点の辺ベクトルから面積を出す

方針

4本の接線を方程式で書き、水平な2直線と斜めの2直線の交点を頂点とする平行四辺形を考える。一方の辺では高さが 3(a1) だけ違い、もう一方は同じ水平線上で切片差に応じてずれる。二つの辺の成分から面積を計算する。最大化では微分せず、面積を決める3次式が 2 以上 2 以下であることを二つの因数分解で示す。

解答

(1)
接線の傾きが等しい条件は6t(ta)=6(ta)である。よって (ta)(t1)=0 となり、a>1 だからt=1,t=aを得る。

(2)
t=a における2本の接線はy=33a,y=0である。t=1 における2本の接線の共通の傾きをp=6(a1)とおくと、その方程式はy=p(x1)+f(1),y=p(x1)+g(1)である。

一つの斜線と二つの水平線との交点を結ぶ辺では、高さの差が 3(a1) である。したがってその辺ベクトルは、向きを適当に選べば(12, 3(a1))と書ける。また、同じ水平線上で二つの斜線との交点を結ぶ辺の水平成分はf(1)g(1)p=(a1)(a22a2)6(a1)=a22a26.この辺は水平なので、平行四辺形の面積はS=3(a1)a22a26=12(a1)(a22a2).(3)h(a)=(a1)(a22a2)=a33a2+2とおく。1<a3 において2h(a)=a2(3a)0,h(a)+2=(a2)2(a+1)0.よって 2h(a)2 であり、S1 である。前者の等号 h(a)=2a=3、後者の等号 h(a)=2a=2 で成り立つ。したがって最大値は 1、そのときa=2,a=3である。

総評

難度7、計算量7、目安時間25分。接線条件、4直線が作る平行四辺形の面積、絶対値付き3次式の最大化を段階的に処理する総合問題である。平行線間の縦差を傾きで横差へ直す箇所が最大の得点点になる。g(1)f(1) の符号と a1>0 の利用に注意する。最大値は微分と二つの因数分解の両方で確認し、a=2,3 の二つの等号場合を落とさない。

冊子PDFで見る北大の微分の問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 1987年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。