方針
単位円上の点の移った先を (X,Y) とし、X2+Y2 を展開する。交差項が消えて一定になることと、逆向きにも全円周が得られることを確認する。面積は a2+b2 を平方で評価する。
解答
(1)
単位円上の点 (x,y) が (X,Y) に移るとすると(XY)=(ab−ba)(xy).したがってX=ax−by,Y=bx+ay.二乗して加えるとX2+Y2=(ax−by)2+(bx+ay)2=(a2+b2)(x2+y2)=a2+b2.逆に、この円周上の (X,Y) に対してx=a2+b2aX+bY,y=a2+b2−bX+aYとおけば x2+y2=1 となる。よってC: X2+Y2=a2+b2.(2)
C の半径は a2+b2 だからS=π(a2+b2).条件 a+b=2 のもとでa2+b2=2(a+b)2+(a−b)2=2+2(a−b)2≧2.等号は a=b=1 で成立する。したがってSmin=2π.
別解
解法2:回転と拡大に分けて捉える
方針
r=a2+b2 として a=rcosϕ, b=rsinϕ と表す。変換が角 ϕ の回転と倍率 r の拡大の合成であることを直接読み、円と面積を求める。制約には平方の不等式を使う。
解答
(1) r=a2+b2>0とおく。ある角 ϕ によりa=rcosϕ,b=rsinϕと表せる。するとXY=r(xcosϕ−ysinϕ),=r(xsinϕ+ycosϕ).括弧内は (x,y) を角 ϕ だけ回転した座標であり、その後に全ての長さを r 倍している。したがって単位円は半径 r の円へ移る。よってC: X2+Y2=r2=a2+b2.(2)
長さが r 倍されるので面積は r2 倍され、S=πr2=π(a2+b2).ここで(a−b)2≧0から2(a2+b2)≧(a+b)2=4.したがって a2+b2≧2 で、等号は a=b=1 のときに成立する。ゆえにSmin=2π.
総評
難度4、計算量3。問題文が明示する行列を回転と拡大として読む問題で、想定時間は17分程度。a,b は正とは限らないため相加相乗平均を無条件に使わず、(a−b)2≧0 で評価するのが安全である。座標の二乗和と回転・拡大の分解を相互照合した。
冊子PDFで見る北大の行列の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 1988年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。