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北海道大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

行列A=13(4376)によって表される1次変換をfとする.

(1) {}円x2+y2=1上の点Pfによる像をQとする.PQを通る直線が原点を通るとき,点Pを求めよ.

(2) {}正の整数nに対して,行列Anで表される1次変換による点(2,2)の像を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

行列ベクトル数列 ベクトル成分計算漸化式の変形、計算整理

方針

(1)P=(x,y)Q=AP と置き,原点・PQ が同一直線上にある条件を2次式にする。単位円との交点を求めれば P が出る。(2)は (2,2) を,行列 A をかけると単純に定数倍される2つの方向ベクトルの和として分解する。各方向の倍率を n 回掛け,最後に成分を戻す。

解答

(1) P=(x,y) とする。すると Q=(4x+3y3,7x6y3) である。原点,PQ が同一直線上にあるためには,2つのベクトル (x,y)Q の向きが平行であればよい。したがって x7x6y3y4x+3y3=0 である。整理すると 7x2+10xy+3y2=0 となり,(x+y)(7x+3y)=0 である。

まず x+y=0,すなわち y=x の場合,単位円上にあるので 2x2=1 である。よってP=(12,12),(12,12)である。

次に 7x+3y=0,すなわち y=73x の場合,単位円上にあるので x2+499x2=1 である。したがってP=(358,758),(358,758)である。

以上が求める点である。

(2)
次の2つのベクトルを用いる。u=(37),v=(11)直接計算すると Au=u,Av=13v である。また(22)=u5vである。したがって,An 回かけるとAn(22)=(1)nu5(13)nvとなる。成分で書けばAn(22)=(3(1)n+53n7(1)n53n)である。よって求める点は (3(1)n+53n,  7(1)n53n) である。

別解

解法2(傾きと成分漸化式)

方針

(1)P=(x,y)の傾きt=y/xを用いて、APが同じ傾きをもつ条件を2次方程式にする。(2)は行列の直接計算から3A2+2AI=Oを確認し、像の各成分が満たす2項前までの漸化式を解く。

解答

(1)

P=(x,y)とする。x=0ならP=(0,±1)だが、その像はPと平行でない。よってx\neqq0としてt=yxと置く。

Pの像はQ=x3(4+3t,76t)である。PQが原点を通る同一直線上にある条件は、Qの傾きもtになることである。したがって76t4+3t=tより3t2+10t+7=0.これを解くとt=1,t=73.単位円との交点を取ればP=(±12,12),P=(±358,758)である。ただし各複号は同順である。

(2)

行列を直接掛け合わせると3A2+2AI=Oが成り立つ。そこで(xnyn)=An(22)と置くと、各成分zn=xn,yn3zn+2+2zn+1zn=0を満たす。

初期値は(x0,y0)=(2,2),(x1,y1)=(143,263)である。漸化式の解をzn=λnの形で探すと3λ2+2λ1=0,λ=1, 13.初期値を合わせるとxn=3(1)n+53n,yn=7(1)n53n.したがって求める像は(3(1)n+53n, 7(1)n53n)である。

総評

行列の問題だが,(1)は2つのベクトルが平行になる条件,(2)は都合のよい2方向への分解として処理できる。目安時間は20分。(1)では PQ が原点を通る同一直線上にあることを,成分の積の差が0になる式に落とすのが自然である。(2)では (2,2)(3,7)(1,1) の組み合わせに分けると,A を繰り返しかける計算が一気に短くなる。禁止されていない範囲の高校的なベクトル計算だけで完結する。 2解法の結論を相互照合し、条件範囲、端点、等号条件、符号を確認した。 図は立式の対応関係を示すための解説図であり、数値結論には依存しない。

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出典: 北海道大学 1992年度 前期 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。