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北海道大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

平面上の3点をA(2,2)B(3,1)C(2,0)とする.
1次変換fは点Aを点P(4,0)に移し,
ABCx軸で面積が二等分される正三角形に移す.
このとき,次の問に答えよ.

(1) {}線分OAと辺BCの交点をDとするとき,
長さの比OD:OAを求めよ.
ただし,Oは原点とする.

(2) {}Dfによる像Sの座標を求めよ.

(3) {}fを表す行列Xを求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

行列ベクトル図形と方程式 ベクトル成分計算、面積比、回転・拡大

方針

まず D を座標で求め、D=14A という線形性に直結する関係を取り出す。A の移り先が P と指定されているので、S=f(D) はすぐ P の4分の1になる。最後は、x 軸が正三角形の面積を二等分することから、P と反対側の辺の中点が S であると読み、残り2頂点を上下対称に置いて行列を決める。

解答

(1)

BC 上の点は、実数 s を用いて (2,0)+s{(3,1)(2,0)}=(2+5s,s) と表せる。線分 OAA(2,2) と原点を通るので、直線としては y=x である。したがって交点では s=2+5s となるから s=12 である。よって D=(2+52,12)=(12,12) である。

また A=(2,2) なので D=14A である。したがって OD:OA=14:1=1:4 である。

(2)

1次変換では定数倍が保たれるから、D=14A より S=f(D)=14f(A) である。問題文より f(A)=P=(4,0) だから S=14(4,0)=(1,0) である。

(3) DBC の中点でもあるから、S=f(D) は、f(B)f(C) を結ぶ辺の中点である。正三角形で、頂点 P=(4,0) と反対側の辺の中点が S=(1,0) なので、PS は正三角形の高さであり PS=3 である。

正三角形の一辺を r とすると、高さは 32r である。よって 32r=3,r=23 であり、反対側の辺の半分の長さは 3 である。したがって残り2頂点は (1,3),(1,3) である。

まず f(B)=(1,3),f(C)=(1,3) の場合を考える。行列をX=(abcd)とおくとX(22)=(40),X(31)=(13)である。第1成分について 2a+2b=4,3a+b=1 より a=12,b=52 である。第2成分について 2c+2d=0,3c+d=3 より c=32,d=32 である。したがってX=(12523232)である。

上下を入れ替えて f(B)=(1,3),f(C)=(1,3) とする場合は、第1成分は同じで、第2成分の符号が反対になる。よってX=(12523232)である。以上の2つが求める行列である。

別解

解法2

方針

線形性から D=A/4 と像 S=P/4 を得る。正三角形の残り2頂点を決めた後、列ベクトル行列 [A B] の逆行列を用いて X=[f(A) f(B)][A B]1 と一括計算する。

解答

(1)

BC の中点はB+C2=(12,12)=14A.この点は線分 OA 上にもある。直線 OABC は一致しないので交点は一意であり、D=(12,12),OD:OA=1:4.(2)

線形性よりS=f(D)=14f(A)=14P=(1,0).(3)

Sf(B)f(C) の中点である。正三角形の頂点 P=(4,0) と反対辺の中点が
S=(1,0) だから、高さは3であり、残る2頂点は(1,3),(1,3)である。[A B]=(2321),[A B]1=(14341212).f(B)=(1,ε3)ε=±1)とおけばX=[f(A) f(B)][A B]1=(410ε3)(14341212)=(1252ε32ε32).したがって ε=1,1 に対応する2行列がすべてである。

総評

1次変換の線形性と正三角形の中線を組み合わせる座標幾何の問題。得点の中心は、D=14A を見つけて S=14P に直結させること、さらに S が反対側の辺の中点であると読むことである。行列計算では、残り2頂点の上下入れ替えを忘れると答えが1つ欠ける。正三角形の高さ3から半辺 3 を出すところまで書くと、座標の根拠が明確になる。 成分ごとの連立計算と、2本の基底ベクトルを並べた行列積による計算を示した。残る2頂点の上下交換に対応する2行列を落とさないことが重要である。

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出典: 北海道大学 1993年度 前期 文系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。