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北海道大学 1990年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

(1) 任意の正の整数nに対して,
不等式2n+1>n(n+1)+1が成り立つことを証明せよ.

(2) 各正の整数nに対し,
不等式2mnm+1を満たす正の整数mの個数をanとするとき,
annが成り立つことを証明せよ.

難易度5/ 10計算量3/ 10目安15

整数方程式・不等式論証・証明 数学的帰納法不等式評価、範囲評価

方針

(1) は指数関数と2次式の比較なので、初期値を確認したうえで帰納法を用いる。帰納法の段階では、次の2次式との差を明示し、どこから正になるかを確認する。(2)は条件を満たす mn+1 以上だと仮定し、(1)を m1 に適用して不等式 2mnm+1 と矛盾させる。

解答

(1) n=1 のとき 22=4>12+1=3 であり、n=2 のとき 23=8>23+1=7 である。

次に、ある n22n+1>n(n+1)+1 が成り立つと仮定する。このとき 2n+2=22n+1>2{n(n+1)+1} である。ここで 2{n(n+1)+1}{(n+1)(n+2)+1}=2n2+2n+2(n2+3n+3) より 2{n(n+1)+1}{(n+1)(n+2)+1}=n2n1 である。n2 ならば n2n11 なので 2{n(n+1)+1}>(n+1)(n+2)+1 である。したがって 2n+2>(n+1)(n+2)+1 が従う。よって数学的帰納法により、任意の正の整数 n について 2n+1>n(n+1)+1 が成り立つ。

(2)
条件を満たす正の整数 mmn+1 を満たすと仮定する。このとき nm1 であるから nm+1m(m1)+1 である。

一方、(1)を正の整数 m1 に適用すると 2m>(m1)m+1 となる。したがって 2m>m(m1)+1nm+1 であり、これは条件 2mnm+1 に反する。

よって条件を満たす m1,2,,n の中に限られる。この集合には n 個しか正の整数がないので、条件を満たす個数 an について ann が成り立つ。

別解

解法2:二項係数による比較と背理法

方針

(1) は小さい n を直接確認し、n4 では二項展開の両端3項ずつを取り出して下から評価する。(2) は条件を満たす mn+1 があると仮定し、(1)を m1 に適用して矛盾を導く。

解答

(1)
n=1,2,3 はそれぞれ直接計算して成立する。

n4 では、二項展開2n+1=k=0n+1n+1Ckにおいて、次数 0,1,2,n1,n,n+1 の6項は互いに異なる。したがって2n+12{1+(n+1)+n(n+1)2}=n2+3n+4>n(n+1)+1.よってすべての正整数 n で所要の不等式が成り立つ。

(2) 2mnm+1を満たす mn+1 があると仮定する。このとき nm1 なのでnm+1m(m1)+1.一方、(1)を m1 に用いると2m>m(m1)+1,矛盾する。よって条件を満たす m1,2,,n の中にしかなく、その個数はannである。

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中3。大きな計算はないが、量化の扱いを雑にすると(2)の論証が崩れる。(1)の帰納法では n=1 だけでなく n=2 も見て、差 n2n1 が正になる範囲を明記するのが安全である。試験場では10分程度で、背理法の仮定 mn+1 から矛盾までを一直線に書きたい。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式や変化の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

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出典: 北海道大学 1990年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。