方針
(1) は指数関数と2次式の比較なので、初期値を確認したうえで帰納法を用いる。帰納法の段階では、次の2次式との差を明示し、どこから正になるかを確認する。(2)は条件を満たす が 以上だと仮定し、(1)を に適用して不等式 と矛盾させる。
解答
(1) のとき であり、 のとき である。
次に、ある で が成り立つと仮定する。このとき である。ここで より である。 ならば なので である。したがって が従う。よって数学的帰納法により、任意の正の整数 について が成り立つ。
(2)
条件を満たす正の整数 が を満たすと仮定する。このとき であるから である。
一方、(1)を正の整数 に適用すると となる。したがって であり、これは条件 に反する。
よって条件を満たす は の中に限られる。この集合には 個しか正の整数がないので、条件を満たす個数 について が成り立つ。
別解
解法2:二項係数による比較と背理法
方針
(1) は小さい を直接確認し、 では二項展開の両端3項ずつを取り出して下から評価する。(2) は条件を満たす があると仮定し、(1)を に適用して矛盾を導く。
解答
(1)
はそれぞれ直接計算して成立する。
では、二項展開において、次数 の6項は互いに異なる。したがってよってすべての正整数 で所要の不等式が成り立つ。
(2) を満たす があると仮定する。このとき なので一方、(1)を に用いると矛盾する。よって条件を満たす は の中にしかなく、その個数はである。
総評
難度は10段階中5、計算量は10段階中3。大きな計算はないが、量化の扱いを雑にすると(2)の論証が崩れる。(1)の帰納法では だけでなく も見て、差 が正になる範囲を明記するのが安全である。試験場では10分程度で、背理法の仮定 から矛盾までを一直線に書きたい。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式や変化の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。