Evolton

北海道大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

整数n0に対し,b(n)=2nan=2b(n)+1とする.

(1) {}数学的帰納法を用いて,a0a1an=2b(n+1)1 (n1)を示せ.

(2) {}an+1=a0a1an+2 (n1)を示し,
l>m1のとき,alamは1より大きい公約数を持たないことを示せ.

難易度5/ 10計算量3/ 10目安15

整数数列論証・証明 数学的帰納法、最大公約数、式変形

方針

積の恒等式を数学的帰納法で証明する。帰納段階では (X1)(X+1)=X21 を使う。(2)は al とそれ以前の積との差が2であることから、公約数が2を割るところまで落とし、各 an が奇数であることを併用する。

解答

(1)

ここでは b(n)=2n であるから an=22n+1 である。示すべき式は a0a1an=22n+11 である。

まず n=1 のとき a0a1=(21+1)(22+1)=35=15=241=2221 となり成り立つ。

次に、ある n1a0a1an=22n+11 が成り立つと仮定する。このときa0a1anan+1=(22n+11)(22n+1+1)=(22n+1)21=22n+21である。したがって数学的帰納法により、すべての n1 について a0a1an=2b(n+1)1 が成り立つ。

(2)

(1) より a0a1an=22n+11 であるから、右辺に2を加えると a0a1an+2=22n+1+1=an+1 を得る。これで前半が示された。

次に l>m1 とする。(2)前半を l1 に適用すると al=a0a1al1+2 である。ここで ml1 なので、am は積 a0a1al1 を割り切る。

いま alam の公約数を d とする。すると dam を割り切るので a0a1al1 も割り切り、さらに al も割り切る。したがって d{al(a0a1al1)}=2 である。一方、各 an=22n+1 は奇数であるから、d も奇数である。2を割る奇数は1だけなので d=1 である。よって alam は1より大きい公約数を持たない。

別解

解法2

方針

(1) は差の平方を繰り返して直接因数分解し、積を一度に得る。(2)は共通約数を法とする合同式で 22l11 の両方に合同になることを示す。

解答

(1)

差の平方を繰り返すと22n+11=(22n1)(22n+1)=(22n11)(22n1+1)(22n+1)==(21)(2+1)(22+1)(22n+1)=a0a1an.よって所要の積の恒等式が成り立つ。

(2)

(1) の式に2を加えればan+1=22n+1+1=a0a1an+2.l>m1 とし、al,am の正の公約数を d とする。
dam だから22m1(modd).両辺を 2lm 乗する。2lm は偶数なので22l1(modd).一方、dal より 22l1(modd) でもある。したがって11(modd),d2.すべての an は奇数だから d も奇数であり、d=1 である。よって al,am は互いに素である。

総評

典型的なフェルマー数の互いに素性を、帰納法と割り算の形で確認する問題。(1)は平方差 (X1)(X+1)=X21 を使うだけだが、指数が 2n+1 から 2n+2 へ移る点を書き落とさないことが得点になる。(2)では、公約数が「項そのもの」と「それ以前の積との差」も割る、という流れを明確にするのが中心である。d2 で止めると不十分で、各 an が奇数であることまで添えて d=1 と結ぶ必要がある。合同式の 帰納法による積の生成と、差の平方を反復する直接因数分解を示した。互いに素の結論では、公約数が2を割ることに加えて各項が奇数であることまで必要である。

冊子PDFで見る北大の整数の問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 1993年度 前期 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。