方針
(1) はまず から が整数であることを押さえ、さらに と が互いに素であることから、分母が を割らなければならないと見る。分母の絶対値は無限に大きくなるので しかない。(2)では として剰余を求めるだけでなく、商そのものが整数である条件も必要になる。多項式除法で と分け、 と(1)を併用して必要十分条件を決める。
解答
(1) を代入すると が整数でなければならない。したがって は整数である。
次に、任意の整数 について である。実際、 と の公約数は、 と の公約数でもあるからである。
よって が整数となるためには、分母 が を割り切る必要がある。ところが は を大きくすればいくらでも大きくなる。非零の整数 は、自分自身の絶対値より大きい整数で割り切られることはないので、すべての整数 で条件が成り立つには でなければならない。
逆に なら分子は常に0であり、条件を満たす。したがって である。
(2)
分母を とおく。多項式除法を行うとである。したがって整数 について である。なお、 は整数解をもたないので、分母は整数 に対して0にならない。
まず必要条件を求める。 を代入すると であるから、条件が成り立つためには でなければならない。したがって は整数である。
このとき はすべての整数 に対して整数である。よって、もとの分数が常に整数となるためには もすべての整数 に対して整数でなければならない。(1)を に適用すると、これは を意味する。
逆に、 が整数で なら、上の式は となる。これはすべての整数 に対して整数である。
したがって必要十分条件は である。
必要十分性の検算
のときであり、分母は整数 で0にならない。よって商はすべての整数 で整数となる。
別解
解法2(別観点)
方針
除法の代わりに を繰り返し用いて余りを求める。(1)を余りの係数へ適用し、必要十分条件を決める。
解答
(1)
から は整数である。まただから、分数が整数なら である。左辺の絶対値は で無限に大きくなるので、一定の整数 に対してすべての で成り立つのはだけである。逆向きは明らかである。
(2) とおく。 を法としてであるからしたがって を元の分数へ代入すると が整数だから である。そのうえで、商の整式部分は整数値を取り、残りはとなる。(1)より、これがすべての整数 で整数となる必要十分条件はよってが必要十分条件である。
総評
難度6、計算量5。整数値条件を、剰余だけでなく商の整数性まで含めて処理する必要がある問題である。目安は18分程度。(1)では と が互いに素であることが急所で、そこから分母が定数 を割るという形に持ち込む。(2)では だけでは不足で、例えば から が整数であることも必要になる。多項式除法で商と余りを分けて書くと、この落とし穴を避けやすい。
問題・解答の積分・総和・極限は独立行に置き、分数は表示サイズで可読性を確保した。図は原問題の復元図または答案の論理関係を確認するための独自作図である。