方針
(1) は連続する 個の整数の積を組合せの形にして の倍数と見る。(2)は差 が次数を1つ下げ、最高次係数に次数が掛かることを、上位係数だけで確認する。(3)ではこの差分操作を 回繰り返すと定数 が残る。一方、仮定の「すべての正整数 で の倍数」は差を取っても保たれるので、最後に が従う。
解答
(1)
正の整数 に対して である。これは と書ける。 は整数であるから、 は の倍数である。
(2) は の係数が の 次多項式であるから、 と書ける。すると において、最高次の寄与は である。 は高くても までしか含まないので、 の の係数は である。
同様に、 は の係数が の 次多項式である。したがって の最高次の寄与は である。よって の の係数は である。
(3) とおき、 に対して と定める。仮定より、すべての正の整数 について は整数であり、かつ の倍数である。
もし がすべての正の整数 について整数かつ の倍数なら、 も整数かつ の倍数である。したがって帰納的に、すべての について は正の整数 で整数かつ の倍数である。
一方、(2)の考えを繰り返すと、差を1回取るごとに次数が1つ下がり、最高次係数には現在の次数が掛かる。したがって は定数多項式で、その値は である。
特に正の整数 に対して であり、先ほどの結論からこれは の倍数である。よって 、すなわち は の約数である。
差分で次数と最高次係数を追う
別解
解法2
方針
(1) は連続整数から選ぶ組合せの個数として階乗を取り出す。(2)は二項展開の最高次項だけを追う。(3)では 階差分を交代二項和で直接表し、各項の可除性から結論する。
解答
(1) 右端の組合せ数は整数なので、 は の倍数である。
(2) とおく。二項展開からであり、残りの項の差は 次以下だから、 の
の係数は である。同様により、 の の係数は である。
(3)
と書く。二項定理を繰り返し用いると仮定より各 は整数で の倍数だから、
右辺も の倍数である。
一方、差分は次数を1つ下げ、最高次係数にその次数を掛ける。
は最高次係数1の 次多項式なのでである。したがって である。
総評
難度は10段階中7、計算量は10段階中6。有限差分を使って最高次係数から階乗を取り出す問題である。(2)で「下位の項は最高次係数に影響しない」ことを明確にしておくと、(3)の繰り返しが自然につながる。仮定は だけでなく、差を取った後の にも引き継がれる点が核心である。想定時間は13分前後で、 の定義域が正の整数のまま保たれるように も正であることを意識して書くとよい。