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北海道大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

xyz空間に3点O(0,0,0),A(2,0,0),B(0,2,0)と半径6の球Sがある。球Sz座標が正の中心をもち、3つの線分OA,OB,ABに接している。

(1) {}球Sの中心の座標を求めよ。

(2) {}球Sxy平面より上にある部分の体積を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安24

ベクトル図形と方程式積分 座標設定円の性質体積計算

方針

球の中心を C、その xy 平面への射影を C と見る。3辺 OA,OB,AB への距離が等しいので、C は直角二等辺三角形 OAB の内心である。内接円の半径から C の座標を出し、球の半径 6 との距離条件で高さを決める。体積は中心を基準にした水平断面 π(R2u2)xy 平面より上の範囲で積分する。

解答

(1)
球の中心を C=(x,y,z) とし、その xy 平面への射影を C=(x,y,0) とする。

球が3つの線分 OA,OB,AB に接しているので、中心 C からこれら3辺までの距離はいずれも球の半径 6 である。高さ z は3辺に対して共通なので、射影 C は三角形 OAB の3辺から等距離にある。したがって C は三角形 OAB の内心である。

三角形 OABOA=OB=2,AB=2 の直角二等辺三角形である。面積は 1222=1 であり、半周長は 2+2+22=2+1 である。よって内接円の半径は 12+1=21 である。対称性より C=(21,21,0) となる。

中心 C から辺 OA までの距離は、C から OA までの距離 21 と高さ z を用いて (21)2+z2 である。これが球の半径 6 に等しいので (21)2+z2=6 である。ここで (21)2=322 だから z2=6(322)=3+22=(2+1)2 である。中心は z 座標正の側にあるので z=2+1 である。したがって球 S の中心は (21,21,2+1) である。

(2)
球の半径を R=6 とし、中心の高さを h=2+1 とする。中心を基準にした高さを u とおくと、水平断面の半径の2乗は R2u2 である。したがって、その断面積は π(R2u2) である。 xy 平面は中心から見て u=h の高さにあり、球の上端は u=R である。よって求める体積はV=πhR(R2u2)duである。これを計算するとV=π[R2uu33]hR=π(2R33+R2hh33)である。

ここで R3=(6)3=66,R2h=6(2+1) であり、また h3=(2+1)3=52+7 である。したがってV=π(46+62+652+73)=π3(126+132+11)である。よって π3(11+132+126) である。

別解

解法2(座標距離と球冠)

方針

中心を(a,b,c)と置き、3線分への距離を座標で比較する。接点が線分上にある条件で余分な候補を除く。体積は球全体からxy平面より下の小球冠を引き、球冠の体積は水平断面の定積分で確かめる。

解答

(1)

球の中心をC=(a,b,c)とする。c>0である。線分OAx軸上、線分OBy軸上にあるので、中心からそれぞれの直線までの距離の2乗はb2+c2,a2+c2である。どちらも球の半径の2乗6に等しいためa2=b2である。3線分に接する中心の射影は三角形OABの内側にあるからa,b>0であり、a=bとなる。

直線ABx+y2=0,z=0である。中心からこの直線までの距離の2乗はc2+(a+b2)22.これをOAまでの距離の2乗b2+c2と等しくし、a=bを用いると(2a2)22=a2.よってa222a+1=0,a=2±1.a=2+1ではOAへの垂足のx座標が2を超えて線分上にない。したがってa=b=21.さらにc2=6(21)2=(2+1)2でありc>0だからC=(21,21,2+1).(2)

球の半径をR=6、中心の高さをh=2+1とする。xy平面より下に出る部分は、高さq=Rh=621の小球冠である。球の下端から上向きにvを測ると断面積はπ{R2(vR)2}=π(2Rvv2)だから、球冠の体積はVcap=π0q(2Rvv2)dv=πq23(3Rq).したがって求める体積はV=4πR33πq23(3Rq)=π3(11+132+126).

総評

空間図形と回転体ではなく球の切断体積を扱う問題である。目安時間は24分。(1)は中心の射影が三角形 OAB の内心になる理由を書くのが得点点で、いきなり座標を置くと説明不足になりやすい。(2)は小さい球冠を引く方法でもよいが、中心基準の水平断面で u=h から u=R まで積分すると符号の管理が楽である。根号計算は (2+1)3=52+7 まで丁寧に確認したい。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

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出典: 北海道大学 1991年度 前期 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。