Evolton

北海道大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

xyz空間で4点O(0,0,0),A(1,2,0),B(2,0,1),C(0,1,2)を頂点とする四面体(表面および内部)をKとする.Kの点Pから平面x+y+z=1へ垂線を引き,その平面との交点をPとする.PKを動くとき,Pの動く範囲の面積を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安16

ベクトル図形と方程式 座標設定ベクトル成分計算面積計算

方針

平面 x+y+z=1 への垂線方向は (1,1,1) である。点 P(x,y,z) からこの方向へ動いて平面に乗る点 P を式で表す。四面体は4頂点の凸な立体なので,動く範囲は4頂点の移った点の凸な範囲になる。実際に4頂点を移し,OABC の重心であることを確認すれば,範囲は正三角形 ABC である。最後に辺の長さから面積を求める。

解答

平面 x+y+z=1 の法線方向は (1,1,1) である。点 P=(x,y,z) からこの方向に下ろした点を P とすると P=(x,y,z)λ(1,1,1) と書ける。P が平面 x+y+z=1 上にあるので (xλ)+(yλ)+(zλ)=1 である。したがって λ=x+y+z+13 であり,P=(x,y,z)x+y+z+13(1,1,1) である。

4頂点を移すと O=(13,13,13) である。また A=(13,23,43), B=(23,43,13), C=(43,13,23) である。

P が四面体 K の内部および表面を動くとき,P はこれら4点の凸な範囲を動く。ここで O=A+B+C3 であるから,O は三角形 ABC の内部にある。したがって動く範囲は三角形 ABC である。

辺の長さを求めると AB=(1,2,1),BC=(2,1,1),CA=(1,1,2) である。いずれも長さは 12+(2)2+12=6 である。よって ABC は1辺 6 の正三角形であり,面積は 34(6)2=332 である。

別解

解法2(平行な面の合同移動)

方針

3点A,B,Cは同じ平面x+y+z=3上にあり、この平面は投影先と平行である。したがって面ABCの垂直投影は合同な三角形になる。残る頂点Oの像がその三角形の重心であることを確認すれば、動く範囲全体がその三角形だと分かる。

解答

3点A,B,Cではいずれも座標の和が3である。したがって三角形ABCは平面x+y+z=3上にあり、この平面は投影先の平面x+y+z=1と平行である。

平行な2平面の間の垂直投影は、すべての点を同じベクトルだけ動かす平行移動である。よってA,B,Cの像をA,B,Cとすれば、三角形ABCは三角形ABCと合同である。

一方、Oの像はO=(13,13,13)である。三角形ABCの重心は(1,1,1)であり、その投影はOになる。したがってOは三角形ABCの内部にある。四面体の各点は4頂点の重み付き平均で表せ、投影後も同じ重み付き平均になるので、投影範囲は三角形ABC全体である。

辺の長さを元の三角形で計算するとAB=(1,2,1),BC=(2,1,1),CA=(1,1,2).いずれも長さは6である。よって正三角形ABC、したがってABCの面積は34(6)2=332.

総評

四面体を平面へ垂直に移したときの範囲を求める問題である。目安時間は16分。平面への対応式を作ったあと,四面体全体を直接追うのではなく,4頂点がどこへ移るかを見ればよい。OABC の重心になるため,範囲が四角形ではなく三角形に縮む点が主な注意点である。最後の面積は3次元内の三角形なので,辺ベクトルの長さを使って正三角形と確認すると計算が安定する。 2解法の結論を相互照合し、条件範囲、端点、等号条件、符号を確認した。 図は立式の対応関係を示すための解説図であり、数値結論には依存しない。

冊子PDFで見る北大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 1992年度 前期 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。