方針
最も近い整数を決めるには,ee が 15 と 15.5 の間にあることを示せばよい。まず与えられた対数値から log15<e を確認して 15<ee を得る。次に 15.5=15⋅3031 と分け,log(1+x)>1+xx を使って log15.5>e を示す。これにより ee<15.5 が分かる。
解答
まず 15<ee を示す。与えられた値より log15=log3+log5=1.099+1.609=2.708 である。一方 e=2.718 だから log15<e である。対数関数は増加するので 15<ee を得る。
次に ee<15.5 を示す。 15.5=15⋅3031 である。ここで x>0 に対して log(1+x)>1+xx が成り立つ。これは,log(1+x)=∫11+xt1dt と見れば,区間 [1,1+x] で 1/t≧1/(1+x) であり,内部ではより大きいことから分かる。 x=301 とすると log3031>31/301/30=311 である。したがって log15.5=log15+log3031>2.708+311 である。ここで 311>0.032 だから log15.5>2.740 である。これは 2.718=e より大きいので e<log15.5 であり,ee<15.5 となる。
以上より 15<ee<15.5 である。したがって ee に最も近い整数は 15 である。
別解
解法2(平均値の定理で半整数と比較)
方針
最も近い整数を15と確定するため、15<ee<15.5を示す。下側は与えられた対数値、上側はlogxに平均値の定理を用いてlog15.5−log15>1/31と評価する。
解答
与えられた値よりlog15=log3+log5=1.099+1.609=2.708<2.718=e.対数関数は増加するから15<ee.次にlogxへ区間[15,15.5]で平均値の定理を用いる。あるξ (15<ξ<15.5)が存在してlog15.5−log15=ξ0.5>15.50.5=311.ここで311>0.032であるからlog15.5>2.708+0.032=2.740>2.718=e.したがってee<15.5.以上より15<ee<15.5.ゆえにeeに最も近い整数は15である。
総評
近似値を使って整数を決める対数評価の問題である。目安時間は14分。単に ee を小数計算するのではなく,15 より大きく 15.5 より小さいことを対数で示すのが筋である。log15 は与えられた log3,log5 からすぐ出る。上側評価では 15.5=15⋅31/30 と分け,log(1+x)>x/(1+x) を使うと,与えられた数値だけで十分に比較できる。 2解法の結論を相互照合し、条件範囲、端点、等号条件、符号を確認した。 図は立式の対応関係を示すための解説図であり、数値結論には依存しない。
冊子PDFで見る北大の指数・対数の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 1992年度 後期 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。