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北海道大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

aを0でない実数とし,Pを直線y=ax上の原点O以外の点とする.
1次変換fが次の条件(イ)と(ロ)を満たすとする.

(イ) fは点(1,0)を点(2,0)に移す.

(ロ) Q=f(P)とすると,POQが直角となり,
POQの面積がOPの長さの2乗に等しい.

このとき,fを表す行列Aを求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

行列ベクトル 内積の利用面積計算、場合分け

方針

条件(イ)で行列の第1列がただちに決まり、未知数は第2列だけになる。点 P は直線 y=ax 上の任意の原点以外の点なので P=s(1,a) と置き、s に依存しない条件として、OPOQ の直交条件、三角形の面積条件を立てる。面積条件では絶対値が出るため、直交条件で式を整理してから av=2 に落とし、2通りの符号を最後に戻して行列を決める。

解答

(1)

条件(イ)より、(1,0)(2,0) に移る。したがって行列の第1列は (2,0) であり、A=(2u0v)とおける。 P は直線 y=ax 上の原点以外の点だから、ある s0 を用いて P=s(1,a) と書ける。このとき Q=f(P)=s(2+au,av) である。

まず POQ が直角であることから、OPOQ=0 である。よって s2{2+au+a2v}=0 であり、s0 だから 2+au+a2v=0 を得る。

次に面積条件を用いる。三角形 POQ の面積は12det(ss(2+au)asasv)=s22a(v2au)である。一方、OP2=s2(1+a2) であるから、面積条件は s22a(v2au)=s2(1+a2) である。

ここで直交条件 2+au=a2v を用いると v2au=v+a2v=v(1+a2) となる。したがって 12av(1+a2)=1+a2 であり、1+a2>0 より av=2 を得る。a0 だから v=2aまたはv=2a である。 v=2/a のとき、直交条件から 2+au+2a=0 であるから u=2(a+1)a である。v=2/a のときは 2+au2a=0 より u=2(a1)a である。

よって求める行列はA=(22(a+1)a02a)またはA=(22(a1)a02a)である。

別解

解法2

方針

直角三角形の面積から OQ=2OP を先に出し、方向を90度回転した2通りのベクトルとして行列の第2列を決める。

解答

図形的解法e=(1a),Je=(a1)とおく。直線 y=ax 上の点は se と書ける。直角条件と[POQ]=12OPOQ=OP2からOQ=2OPである。したがって、Aee に垂直で長さが2倍だからAe=2JeまたはAe=2Je.一方、条件(イ)よりA=(2u0v).よって(2+auav)=(2a2)または(2+auav)=(2a2).それぞれを解けばA=(22(a+1)a02a)またはA=(22(a1)a02a).両方とも A(1,0)T=(2,0)T を満たし、直線上の全点に対して直角条件と面積条件を満たす。

総評

行列の列ベクトル、直交条件、面積条件を同時に扱う標準上位問題。目安時間は20分前後。得点の中心は、P=s(1,a) と置いて s を消し、面積の絶対値を直交条件で av=2 まで整理するところにある。符号が2通り出るので、片方だけで終えないことが重要である。図形的な別解では、直角三角形の面積から OQ=2OP を先に読むと、計算量をかなり減らせる。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、必要十分性、極限、図示範囲、途中計算まで確認した。

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出典: 北海道大学 1994年度 前期 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。