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北海道大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

平面上の3点をA(2,2)B(3,1)C(2,0)とする.
1次変換fによってABCが次の(i),(ii)を満たす正三角形に移されている.

(i) {}1つの頂点はP(4,0)である.

(ii) {}x軸によって面積が2等分されている.

このとき,次の問に答えよ.

(1) {}線分OAと辺BCの交点Dは,BCの中点であることを示せ.
ただし,Oは原点とする.

(2) {}fAPに移すことを示し,Dfによる像Sの座標を求めよ.

(3) {}fを表す行列Xを求めよ.

難易度7/ 10計算量5/ 10目安25

行列ベクトル図形と方程式 ベクトル成分計算、面積比、回転・拡大

方針

(1)D=(1/2,1/2) を求め、DBC の中点であり同時に D=14A であることを取り出す。(2)では、f(D)f(B)f(C) の中点で、しかも f(D)=14f(A) であることを利用する。正三角形で面積を二等分する直線は中線になるので、x 軸上の頂点 Pf(A) であると決め、S=(1,0) を得る。最後は反対側の辺の2頂点を上下に置いて、2通りの行列を計算する。

解答

(1)

BC 上の点は (2,0)+s{(3,1)(2,0)}=(2+5s,s) と書ける。直線 OAy=x であるから、交点では s=2+5s となり s=12 である。したがって D=(12,12) である。これは s=12 に対応する点なので、DBC の中点である。

また A=(2,2) だから D=14A である。

(2) DBC の中点であるから、1次変換の線形性より f(D)f(B)f(C) を結ぶ辺の中点である。また D=14A なので f(D)=14f(A) である。

ここで、移された三角形の頂点を U=f(A),V=f(B),W=f(C) とおく。上で見たように S=f(D)=V+W2=14U である。

P=(4,0) は、この正三角形の1つの頂点である。また x 軸はその正三角形の面積を二等分している。正三角形で1つの頂点を通り面積を二等分する直線は、その頂点から反対側の辺の中点へ引いた中線である。

もし P=V であったとする。このとき x 軸は頂点 V=P から辺 UW の中点へ向かう中線であるから、U,WU=(m,h),W=(m,h)(h0) と書ける。すると S=V+W2=(4+m2,h2) である。一方 S=14U なので S=(m4,h4) でもある。第2成分を比べると h2=h4 となり、h=0 を導く。これは正三角形がつぶれていないことに反する。したがって P=V は不可能である。P=W の場合も同様に不可能である。

よって残る可能性は f(A)=U=P=(4,0) だけである。

よって S=f(D)=14f(A)=14(4,0)=(1,0) である。

(3) S=(1,0) は、P=(4,0) と反対側の辺の中点である。したがって正三角形の高さは PS=3 である。正三角形の一辺を r とすると 32r=3 だから r=23 であり、反対側の辺の半分の長さは 3 である。よって残り2頂点は (1,3),(1,3) である。

まず f(B)=(1,3),f(C)=(1,3) とする。行列をX=(abcd)とおくと、f(A)=Pf(B)=(1,3) からX(22)=(40),X(31)=(13)である。第1成分について 2a+2b=4,3a+b=1 より a=12,b=52 である。第2成分について 2c+2d=0,3c+d=3 より c=32,d=32 である。したがってX=(12523232)である。

上下を入れ替えた場合、すなわち f(B)=(1,3),f(C)=(1,3) の場合には、第1成分は同じで第2成分の符号だけが反対になる。よってX=(12523232)である。

別解

解法2

方針

像の3頂点を U,V,W と置き、D=A/4=(B+C)/2 から S=U/4=(V+W)/2 を得る。面積二等分線とこのベクトル関係で U=P を確定し、最後は行列積 X=[U V][A B]1 で2通りを同時に計算する。

解答

(1) B+C2=(12,12)=14Aであり、この点は BCOA の両方にある。よってD=(12,12)BC の中点である。

(2) U=f(A),V=f(B),W=f(C)とおく。線形性からS=f(D)=14U=V+W2.したがって S は正三角形 UVW の辺 VW の中点である。

もし PV または W なら、x 軸による面積二等分線はその頂点と反対辺の中点を通る。
一方、上式は S が辺 VW 上にあり、同時に U と原点を結ぶ直線上にあることを示す。
この二つを満たすと正三角形の高さが0になってしまう。よってU=f(A)=P=(4,0),S=14P=(1,0).(3)

PS=3 は正三角形の高さだから、残る2頂点はV=(1,ε3),W=(1,ε3)(ε=±1).また[A B]1=(2321)1=(14341212).したがってX=[U V][A B]1=(410ε3)(14341212)=(1252ε32ε32).ε=1,1 の2通りが求める行列である。

総評

文系第3問と同じ配置を含むが、こちらは f(A)=P を自分で示す必要がある。得点の中心は、DBC の中点であることと D=14A を同時に使い、f(D) が反対側の辺の中点になることを説明する点である。正三角形の面積二等分線は中線である、という図形的事実を言葉で書くと答案が安定する。行列は上下2通りを必ず残すこと。 像の頂点を逐次決める方法と、像行列と逆行列の積で一括計算する方法を示した。f(A)=P の証明、面積二等分線、上下2通りのすべてが必要である。

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出典: 北海道大学 1993年度 前期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。