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北海道大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

(1) {}定直線ly=ax23x(a>0)で表されるすべての放物線と定点Aで接するとき,Aおよびlを求めよ.

(2) {}(1)の放物線上の点P (P\neqqA)における接線がlと交わる点をQとする.ベクトルAQQPのなす角が30であり,さらにこの放物線と2つの線分AQPQで囲まれる部分の面積が3であるとする.このときaの値を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安28

微分図形と方程式積分 接線・法線三角比の利用面積計算

方針

(1) では放物線 y=ax23xx=s における接線を作り,a によらず同じ接線になるには s=0 しかないことを使う。(2)では Px 座標を t とおき,接線と l の交点 Q を求める。角度条件はベクトル AQQP の内積と長さから at=123 を得る。面積は t<0 に注意し,曲線と2本の接線の差を t から0まで分けて積分する。

解答

(1)
放物線を y=ax23x とする。x=s における接線の傾きは 2as3 であり,接点の座標は (s,as23s) である。接線の式は y=(2as3)(xs)+as23s すなわち y=(2as3)xas2 である。

これがすべての a>0 について同じ直線になるには,係数 2asas2 がどちらも a によらない必要がある。したがって s=0 である。このとき接点は A=(0,0) であり,接線は l:y=3x である。

(2) Px 座標を t とおく。PA なので t0 であり,P=(t,at23t) である。P における接線は y=(2at3)xat2 である。この接線と l:y=3x の交点を Q とすると 3x=(2at3)xat2 より x=t2 である。よって Q=(t2,3t2) である。

ここでAQ=(t2,3t2),QP=(t2,at2)である。u=at とおくと,AQQP=t24(123u) であり,AQ=t,QP=t21+4u2である。なす角が 30 なので 123u21+4u2=32 である。これを解く。両辺を整理して 123u=31+4u2 となる。両辺を2乗すると 143u+12u2=3+12u2 であるから u=123 を得る。すなわち at=123 である。特に a>0 だから t<0 である。

次に面積を計算する。t<0 なので,閉じた図形は tx0 にある。txt2 では下側の直線は P における接線であり,差は (ax23x){(2at3)xat2}=a(xt)2 である。t2x0 では下側の直線は l であり,差は (ax23x)(3x)=ax2 である。したがって面積 SS=tt/2a(xt)2dx+t/20ax2dx である。計算すると S=at312 となる。

ここで t=uau=123 だから S=u312a2=12883a2 である。これが 3 に等しいので 12883a2=3 より a2=1864 を得る。a>0 だから a=1126 である。

別解

解法2(方向の傾きと相似変数)

方針

(1) の共通接線を求めた後、Px座標をt、積atuと置く。角度条件は2方向の傾きに対する角の公式でuだけの方程式にする。面積もx=tXで相似変換するとuaだけで表せる。

解答

(1)

x=sにおける接線はy=(2as3)xas2.これがすべてのa>0で同じ直線になるにはs=0でなければならない。よってA=(0,0),l:y=3x.(2)

Px座標をt\neqq0と置く。Pでの接線とlの交点はQ=(t2,3t2)である。u=atと置けばAQ=t2(1,3),QP=t2(1,2u).2方向の傾きは32uである。なす角が30であり、内積が正であることも用いると2u+3123u=tan30=13.したがってu=123.特にa>0よりt<0である。

面積を相似変数で求める。x=tXと置くと、txt/21X1/2t/2x01/2X0に対応する。曲線と2本の接線との差を用いるとS=tt/2a(xt)2dx+t/20ax2dx=at312.t=u/aを代入してS=u312a2=12883a2.これが3に等しいのでa2=1864.a>0よりa=1126.

総評

共通接線,接線の交点,角度条件,面積条件を順に処理する総合問題である。目安時間は28分。(1)はすべての a に共通という条件から接点が原点に限られることを読む。(2)では Q=(t/2,3t/2) までは標準的だが,角度条件で at の符号を誤りやすい。実際には at=1/(23) となるため t<0 であり,面積積分の区間も t から0へ取る必要がある。既存の直感だけで t>0 と置くと最終値がずれるので注意したい。 2解法の結論を相互照合し、条件範囲、端点、等号条件、符号を確認した。 図は立式の対応関係を示すための解説図であり、数値結論には依存しない。

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出典: 北海道大学 1992年度 前期 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。