方針
まず と同じ長さで直交する を2通りに絞る.次に, と を列にもつ行列の逆行列を使って,それぞれの に対応する1次変換の行列を求める.回転であるためには,長さを保ち向きも保つ場合だけを残す.
解答
と は直交し,長さはいずれも である.いま である. は と同じ長さで に直交するので, を直角に回した2通り のいずれかである.
(1) をとおくと,, はと書ける.ここでである.
まず のときである.
次に のときである.
(2) 回転は長さを変えず,向きも保つ変換である.上の2通りのうち, は の向きと の向きが同じ場合であり,回転になりうる.一方 は向きが反対になるので,回転ではない.
したがって第1の行列について, の長さ と の長さが等しい条件を課せばよい. であるから すなわち である.よって となる.これらを第1の行列に代入してを得る.
直交する基底とその像
別解
解法2
方針
平面を複素数平面とみなし, と が 回転で移り合うことを使う.向きを保つ場合は複素数の掛け算,反転する場合は共役を含む掛け算として2族の行列を得る.
解答
ベクトル を複素数 と同一視する.だから,問題で与えられた2本の入力ベクトルは正の向きに 回転して移り合う.
またを に対応する複素数とする.
(1)
は と直交し同じ長さなので,対応する複素数は または である.
まず の場合,変換は で複素数 を掛ける行列はなので次に の場合,向きを反転する実線形変換であり
と書ける. から の行列はだから(2)
回転は第1の族に限られ,さらに ,すなわち が必要十分である.を解くと .したがって
総評
難度は10段階中6,計算量は10段階中5.条件から を2通りに絞るところまでは図形的な考察であり,その後は基準となる2本のベクトルの像を列として行列を組み立てる計算である.(2) では「直交して同じ長さ」だけでは回転とは限らず,向きが反対になる場合は除く必要がある.ここを言葉で補うと,2つの候補行列から第1の族だけを選ぶ理由が明確になる.