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北海道大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

fを次の行列Aで与えられる1次変換とする.A=(34141434)(1) 点P(x,y) (x2+y2=2)が,f(P)=Pを満たすとき,Pの座標を求めよ.

(2)P0(x0,y0)を出発点とし,
Pn(xn,yn)Pn+1=f(Pn)によって順に定める.
(x0,y0)=(1,1)のとき,Pnの座標は
((12)n,(12)n)
となることを示せ.

(3) (x0,y0)=(2,0)のときPnの座標を求めよ.

難易度4/ 10計算量4/ 10目安15

行列数列 ベクトル成分計算漸化式の変形対称性の利用

方針

行列をそのまま何度も掛けるのではなく,x+yxy が1回の変換でどう変わるかを見る.和の成分は毎回 12 倍,差の成分は不変になるので,反復後の座標を和と差から戻す.

解答

P(x,y) の像を P(x,y) とすると x=3xy4,y=x+3y4 である.ここから x+y=x+y2,xy=xy がわかる.つまり,x+y は1回ごとに 12 倍され,xy は変わらない.

(1) f(P)=P ならば x=x, y=y である.第1式だけを見ても 3xy4=x より x+y=0 を得る.逆に x+y=0 ならば上の式から x=x, y=y である.したがって固定される点は直線 x+y=0 上にある.
さらに x2+y2=2 より,y=x を代入して 2x2=2,x=±1 である.よって P=(1,1), (1,1) となる.

(2) 初期値が P0=(1,1) のとき x0+y0=2,x0y0=0 である.上で調べた変化より xn+yn=2(12)n,xnyn=0 である.したがって xn=yn であり,2xn=2(12)n から Pn=((12)n,(12)n) となる.

(3) 初期値が P0=(2,0) のとき x0+y0=2,x0y0=2 である.よって xn+yn=2(12)n,xnyn=2 となる.和と差から座標に戻すとxn=(xn+yn)+(xnyn)2,yn=(xn+yn)(xnyn)2なのでPn=(1+(12)n,1+(12)n)である.

2つの固有方向

別解

解法2

方針

行列の固有方向 (1,1), (1,1) を先に見つけ,初期ベクトルをその2方向へ分解する.An は各成分をそれぞれ 2n 倍,1倍するだけなので,反復を一度に計算できる.

解答

e1=(11),e2=(11)とおく.直接計算するとAe1=12e1,Ae2=e2.したがってAne1=2ne1,Ane2=e2.(1)

f(P)=P となるのは,e1 方向の成分が0のとき,すなわちP=se2=(s,s) のときである.条件 x2+y2=2 から2s2=2なので s=±1.よってP=(1,1),(1,1).(2)P0=(1,1)=e1だからPn=AnP0=2ne1=(2n,2n).(3)P0=(2,0)=e1+e2である.よってPn=AnP0=2ne1+e2=(1+2n,1+2n).

総評

難度は10段階中4,計算量は10段階中4.行列の反復を成分ごとに直接計算しようとすると煩雑になるが,x+yxy を見ると変化の本質が一気に見える.固定点の条件,反復公式,初期値 (2,0) の分解がすべて同じ観察で処理できるため,最初に「何が半分になり,何が不変か」を言語化できるかが得点差になる.

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出典: 北海道大学 1995年度 前期 文系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。