方針
行列をそのまま何度も掛けるのではなく, と が1回の変換でどう変わるかを見る.和の成分は毎回 倍,差の成分は不変になるので,反復後の座標を和と差から戻す.
解答
点 の像を とすると である.ここから がわかる.つまり, は1回ごとに 倍され, は変わらない.
(1) ならば , である.第1式だけを見ても より を得る.逆に ならば上の式から , である.したがって固定される点は直線 上にある.
さらに より, を代入して である.よって となる.
(2) 初期値が のとき である.上で調べた変化より である.したがって であり, から となる.
(3) 初期値が のとき である.よって となる.和と差から座標に戻すとなのでである.
2つの固有方向
別解
解法2
方針
行列の固有方向 , を先に見つけ,初期ベクトルをその2方向へ分解する. は各成分をそれぞれ 倍,1倍するだけなので,反復を一度に計算できる.
解答
とおく.直接計算するとしたがって(1)
となるのは, 方向の成分が0のとき,すなわち のときである.条件 からなので .よって(2)だから(3)である.よって
総評
難度は10段階中4,計算量は10段階中4.行列の反復を成分ごとに直接計算しようとすると煩雑になるが, と を見ると変化の本質が一気に見える.固定点の条件,反復公式,初期値 の分解がすべて同じ観察で処理できるため,最初に「何が半分になり,何が不変か」を言語化できるかが得点差になる.