方針
積分の中に x が含まれているので,y=∫1xf(t)dtとおき,∫1xtf(t)dt+xyの形に分けてから微分する.得られた一次微分方程式は,xy を微分した形にまとめて解く.
解答
(1) y=∫1xf(t)dtとおく.このとき y′=f(x) であり,与えられた式は∫1xtf(t)dt+x∫1xf(t)dt=4x−4すなわち∫1xtf(t)dt+xy=4x−4と書ける.両辺を x で微分すると,第1項はdxd∫1xtf(t)dt=xf(x)であり,第2項は dxd(xy)=y+xy′=y+xf(x) である.したがって xf(x)+y+xf(x)=4 となる.f(x)=y′ より,求める微分方程式は 2xy′+y=4 である.
(2) x>0 なので,(1) の式を 2x で割ると y′+2x1y=x2 である.ここで(xy)′=xy′+2x1y=x(y′+2x1y)=x2となる.よって 1 から x まで積分してxy−y(1)=∫1xt2dt=4(x−1)である.定義から y(1)=0 なので xy=4x−4 となり,y=4−x4 を得る.したがって f(x)=y′=2x−3/2 である.
最後に確認しておく.f(t)=2t−3/2 ならば∫1xf(t)dt=4−x4,∫1xtf(t)dt=4(x−1)であるから∫1x(t+x)f(t)dt=4(x−1)+x(4−x4)=4x−4となり,確かに条件を満たす.
別解
解法2
方針
与式を一度微分して得る関係をさらに微分し,f 自身の微分方程式を作る.初期値は最初の微分式へ x=1 を代入して決め,最後に元の積分方程式で検算する.
解答
(1)
与式を∫1xtf(t)dt+x∫1xf(t)dt=4x−4と書く.両辺を微分すると2xf(x)+∫1xf(t)dt=4.y=∫1xf(t)dtとおけば y′=f(x) だから2xy′+y=4.(2)
上で得た式をさらに微分すると2xf′(x)+3f(x)=0.したがってf(x)f′(x)=−2x3であり,f(x)=Cx−3/2と書ける.最初の微分式へ x=1 を代入すると,積分項は0なので2f(1)=4.よって C=f(1)=2 でありf(x)=2x−3/2.実際,∫1x(t+x)2t−3/2dt=∫1x2t−1/2dt+2x∫1xt−3/2dt=4(x−1)+4x(1−x1)=4x−4となるので,元の条件も満たす.
総評
難度は10段階中6,計算量は10段階中5.ポイントは,x が積分の上端としても 被積分関数 の係数としても現れるため,まず∫1xtf(t)dt+x∫1xf(t)dtに分けることである.微分後はy=∫1xf(t)dtを使えば 2xy′+y=4 にまとまる.解いた後に元の積分方程式へ代入して確認すると,微分によって余分な解を拾っていないことも明確になる.
冊子PDFで見る北大の積分の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 1995年度 前期 理系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。