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北海道大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

数列{an} (n1)は,1以上のすべての整数mnに対して次の関係式を満たすとする.(n+2m)an(m+2n)am+(mn)an+m=0(1) a1=0a2=6とするとき,一般項anを求めよ.

(2) a1=1a2=2とするとき,一般項anを求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安8

数列 漸化式の変形数学的帰納法、式変形

方針

与式で m=1 とおくと、a1an から an+1 を決める漸化式が得られる。これにより、条件を満たす数列が存在するなら初期値 a1,a2 だけで全項が一意に決まる。一般には ana1nn(n21) 型に従うので、2組の初期値を同じ枠組みで処理する。

解答

与えられた関係式に m=1 を代入すると (n+2)an(1+2n)a1+(1n)an+1=0 である。n2 ではこれを (n1)an+1=(n+2)an(2n+1)a1 と書ける。

ここで bn=ana1n とおく。上の式に an=bn+a1nan+1=bn+1+a1(n+1) を代入すると、(n1)bn+1=(n+2)bn を得る。したがって n2 について bn+1(n+1)n(n+2)=bnn(n1)(n+1) であり、bnn(n21) に比例する。

(1) a1=0a2=6 だから bn=anb2=6 である。2(221)=6 なので、比例定数は 1 であり、an=n(n21) である。

実際、n=1a1=0n=2a2=6 を満たす。また上で得た漸化式によって全項が一意に定まるため、これが求める一般項である。

(2) a1=1a2=2 であるから b2=a22a1=0 である。漸化式 (n1)bn+1=(n+2)bn より、b2=0 ならすべての n2bn=0 である。よって an=a1n=n である。

最後に、得られた候補が元の「すべての m,n」の条件を満たすことを確認する。
ar=r および ar=r3r をそれぞれ元の左辺へ代入して展開すると
いずれも 0 になる。したがって (1)(2) の候補は必要条件だけでなく、
実際に元の関係式を満たす。

別解

解法2

方針

与式の左辺が数列について線形であることを利用する。まず基本解 nn3 がすべての m,n で条件を満たすことを確認し、m=1 から得る一意性により一般解をその一次結合に限定する。

解答

与式の左辺を Lm,n(a) と書く。数列 un=n を代入するとLm,n(u)=(n+2m)n(m+2n)m+(mn)(m+n)=0.また vn=n3 を代入して展開してもLm,n(v)=0となる。したがって任意の定数 A,B に対してan=An3+Bnは、すべての正整数 m,n について元の関係式を満たす。

逆に、元の関係式で m=1 とおくと、n2 に対して(n1)an+1=(n+2)an(2n+1)a1.よって a1,a2 を指定すれば、その後の全項は一意に定まる。
一方 An3+Bnn=1,2 における値はA+B=a1,8A+2B=a2.この連立方程式は行列式 60 をもつので、任意の
a1,a2 に対して A,B が一意に決まる。したがってこれが一般解である。

(1) A+B=0,8A+2B=6より A=1,B=1。したがってan=n3n=n(n21).(2)A+B=1,8A+2B=2より A=0,B=1。したがってan=n.

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中4。すべての m,n に対する式だが、まず m=1 を選べば十分強い漸化式が出る。大切なのは、漸化式が n=2 以降の全項を一意に決めるため、候補を見つけたあとに長い代入確認をしなくてもよい点である。想定時間は8分程度。an=n をいきなり当てるより、bn=ana1n と置いて同じ形にそろえると答案が安定する。

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出典: 北海道大学 1996年度 前期 文系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。