方針
条件(イ)から が整数であることをまず押さえる。条件(ロ)は、変換後が格子点なら元の点も格子点であるという逆向きの格子保存条件なので、整数行列の逆も整数係数になる必要があり、行列式が に限られる。(2)では の行列が格子点全体を一対一に移すことを利用し、与えられた平行四辺形を正方形 の像として数える。
解答
(1)
変換 は である。条件(イ)より、任意の整数 に対して が整数でなければならない。特に を代入して、 は整数である。
さらに条件(ロ)は、 が格子点ならば も格子点である、という意味である。したがって、格子点を格子点へ移すだけでなく、格子点全体の間で逆向きにも戻れる必要がある。整数行列の逆行列が格子点を格子点に移すためには、行列式の絶対値が でなければならない。よって である。これを解くと 前者は で整数でなく、後者は である。したがって である。
(2) のとき、行列 の列ベクトルはである。したがって、与えられた平行四辺形は で表される。
(1) で得た より、 は格子点全体を格子点全体へ一対一に移す。したがって、平行四辺形の内部にある格子点の個数は、正方形 の内部にある格子点の個数と等しい。ここで は整数でなければならないから、 である。よって内部の格子点の個数は である。
正方形格子の平行四辺形への対応
別解
解法2
方針
条件(ロ)を逆行列の成分条件として直接使う。求めた逆行列で平行四辺形内の格子点を元の正方形へ戻し、内部条件を保ったまま整数対を数える。
解答
(1)
条件(イ)を に適用すると は整数である。とおく。条件(ロ)が成り立つには であり、格子点
の逆像も格子点でなければならない。ところがしたがって は と の両方を割る。よってすなわち である。のうち、整数解をもつのは だけなので(2)
のときは整数行列である。平行四辺形内の点 は一意的にと書ける。 が格子点ならも格子点であり、逆も明らかである。よって内部格子点はと一対一に対応する。個数は
総評
難度は10段階中6、計算量は10段階中5。最大の山は条件(ロ)の読み替えで、単に が整数というだけでは不十分である。行列式が なら格子点全体を一対一に対応させる、という意味まで答案に書くと説得力が出る。(2)は面積だけで数えようとすると境界点処理が重くなるので、正方形 の像として内部格子点を移すのが最短で確実である。想定時間は10分前後。