方針
漸化式を反復すると、an は指数が2ずつ下がる n 個の項の和になる。∣p∣=1 では全項が同じ値になるので別扱いし、∣p∣=1 では等比数列の和として閉じた形にする。極限は ∣p∣>1、∣p∣=1、∣p∣<1 で支配項が変わるため、特に ∣p∣<1 では低い指数の項が支配することに注意する。
解答
漸化式 an+1=pan+p−n を順に展開する。まず a2=p+p−1 であり、a3=p(p+p−1)+p−2=p2+1+p−2 である。この形から、一般に an=pn−1+pn−3+⋯+p1−n となることがわかる。実際、右辺を p 倍して p−n を加えると、次の an+1 の形になるので帰納的に正しい。
(1) ∣p∣=1 で p は実数だから p=1またはp=−1 である。上で得た和には n 個の項があり、指数はすべて n−1 と同じ偶奇である。したがって an=npn−1 である。すなわち p=1 のとき an=n,p=−1 のとき an=(−1)n−1n である。
(2) ∣p∣=1 のときは、p2=1 である。したがって an=pn−1(1+p−2+p−4+⋯+p−2(n−1)) であり、等比数列の和を用いて an=pn−11−p−21−p−2n となる。分母分子を整理すると an=p2−1pn+1−p1−n である。
(3) ∣p∣>1 のとき、(2)の式で pn+1 が支配的であるから anan+1→p である。 p=1 のときは an=n なので anan+1=nn+1→1=p である。p=−1 のときは an=(−1)n−1n なので anan+1=−nn+1→−1=p である。 ∣p∣<1 のとき、(2)の式では p1−n が支配的である。したがって an∼−p2−1p1−n であり、anan+1→p1 である。以上よりn→∞limanan+1=⎩⎨⎧pp1(∣p∣≧1),(∣p∣<1)である。
別解
解法2
方針
bn=p1−nan と置いて指数の伸びを消し、等比級数の部分和へ帰着する。一般項を絶対値 ∣p∣ の3場合に分け、比の極限で支配的な項を明示する。
解答
(1)
p=0 とし、まず一般にbn=p1−nanとおく。与えられた漸化式からbn+1=bn+p−2n,b1=1.よってbn=j=0∑n−1p−2j.したがってan=pn−1j=0∑n−1p−2j=pn−1+pn−3+⋯+p1−n.∣p∣=1 なら p=±1 だからan=npn−1.(2)
∣p∣=1、すなわち p2=1 なら等比級数を計算してan=p2−1pn+1−p1−n.(3)
∣p∣>1 では pn+1 が支配的なのでn→∞limanan+1=p.0<∣p∣<1 では p−n 側が支配的なのでn→∞limanan+1=p1.p=1 なら an=n、p=−1 なら an=n(−1)n−1 だから、いずれも極限は p である。よってn→∞limanan+1=⎩⎨⎧pp1(∣p∣≧1),(0<∣p∣<1).
総評
線形漸化式を等比和に直す問題で、想定時間は30分程度。反復して指数の並び n−1,n−3,…,1−n を見つけるのが第一段階である。∣p∣=1 では等比和の分母が0になるため必ず別扱いする。極限では、∣p∣<1 のとき大きい正の指数ではなく負の指数側が支配するので、答えが p ではなく 1/p になる点が最大の注意点である。
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出典: 北海道大学 1997年度 前期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。